防衛功労章

防衛功労章：自衛隊員の功績を称える栄誉ある褒章

防衛功労章は、自衛隊の隊員がその功績を認められた際に授与される栄誉ある記章です。防衛省による功労表彰である特別及び第1級から第5級までの賞詞に付随して授与され、自衛隊員の献身的な勤務と多大なる貢献を称えるものです。

等級とデザイン

防衛功労章は、特別賞詞、第1級から第5級賞詞の6等級に分けられています。それぞれの等級に応じて、章のデザインや色が異なります。

特別防衛功労章: 特別賞詞受賞者へ授与。
第1級防衛功労章: 第1級賞詞受賞者へ授与。
第2級防衛功労章: 第2級賞詞受賞者へ授与。
第3級防衛功労章: 第3級賞詞受賞者へ授与。
第4級防衛功労章: 第4級賞詞受賞者へ授与。
第5級防衛功労章: 第5級賞詞受賞者へ授与。

デザインは、縦長の旭光の中心に楕円形の珠玉を配し、桜花がそれを囲む構成となっています。珠玉の色は等級によって異なり、特別は赤、1級は紫、2級は緑、3級は紺、4級は黄、5級は藍色です。旭光の色は2級以上が金、3級以下が銀となっています。これらの色は、褒章の色と対応しています。

受賞資格と歴史

防衛功労章の受賞対象は、自衛隊法施行令に基づき、「功績のあった隊員」と規定されています。かつては第2級賞詞受賞者までが対象でしたが、平成12年度以降は第3級、平成31年度以降は第5級賞詞受賞者まで拡大されました。ただし、政令改正前の規定では第3級賞詞受賞者には授与されていませんでした。

防衛記念章とは異なり、防衛功労章は終身保有可能です。また、自衛官だけでなく、自衛隊員も着用できます。受賞者が亡くなった後も、遺族が保存することができます。

着用方法と特記事項

防衛功労章は、通常、左胸上部に着用します。ただし、綬を付けない場合は右胸上部に着用します。複数保有する場合の着用方法は、綬を付けないタイプでは最上位の1個のみでしたが、綬付きタイプになってからは、保有するすべての防衛功労章を着用できるようになりました。

特筆すべき点として、自衛隊発足以来、特別防衛功労章を受賞した者はおりません。また、第1級防衛功労章の受賞者も非常に少なく、複数受章者は元自衛隊体育学校長の三宅義信氏と2012年ロンドン五輪レスリング金メダリストの小原日登美氏の2名のみです。

近年の制度拡充

防衛省は、使命感の醸成と処遇改善を目的として、防衛功労章の拡充に努めています。平成26年度には、部隊功績に係る新たな功労章「部隊功績貢献章」の新設と防衛功労章の形状変更（綬の追加）のために約7000万円の予算を計上しました。さらに、平成31年度には、第4級と第5級賞詞に対応する防衛功労章の新設のために約6000万円の予算が計上されました。これらの予算措置により、防衛功労章制度はより充実したものとなっています。

まとめ

防衛功労章は、自衛隊員の献身的な勤務と功績を称える重要な褒章です。その等級やデザイン、歴史、そして近年の制度拡充について理解することで、自衛隊の功績とその制度に対する理解を深めることができます。

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