防衛科学技術委員会

防衛科学技術委員会について

防衛科学技術委員会（DSTB）は、日本の防衛省によって設置された専門的な会議体であり、2025年6月から活動を開始しています。この委員会は、防衛大臣に対して科学技術および安全保障に関連するさまざまな課題についての助言や提言を行うことを目的としています。

この委員会は法令に基づく公式な審議会ではなく、「委員会・検討会等」の一形態とされています。設置は防衛事務次官の通達によって行われ、その目的は、多様な先端技術を軍事および民間の両方で利用できるようにする「デュアルユース」を念頭に置いています。

委員会の背景と構成

アメリカの国防総省が設けた国防科学委員会を参考にしているこの委員会には、人工知能（AI）、宇宙技術、インターネット、量子技術、半導体、ロボット、バイオテクノロジーなど、多岐にわたる分野の専門家が集結しています。また、日本の防衛にまつわる先端技術の研究は、長らく日本学術会議の影響で制限されてきた経緯があります。しかし、2025年には、安全保障技術研究推進制度への応募件数が過去最高を記録しており、研究者たちの意識も徐々に変わりつつあるとの報告も受けています。

委員会は、学術界を含む研究者や技術者の参加を促進し、ネットワークを広げるための支援も行うことが求められています。これには大学や国立研究所の有識者を紹介することが含まれ、技術者の活躍の場を増やすことに貢献することが期待されています。

委員の構成

設立当初の委員構成には、以下の著名な研究者や専門家が名を連ねています。

• - 委員長: 前川禎通（東北大学名誉教授）
• - 委員:

- 石塚満（東京大学名誉教授）
- 岩本愛吉（東京大学名誉教授）
- 上野山勝也（株式会社PKSHA Technology代表取締役）
- 上山隆大（前総合科学技術・イノベーション会議議員）
- 遠藤典子（早稲田大学研究院教授）
- 片岡晴彦（元航空幕僚長）
- 叶謙二（前防衛装備庁装備官（陸上担当））
- 後藤厚宏（情報セキュリティ大学院大学教授）
- 柴田弘（前防衛装備庁装備官（海上担当））
- 中須賀真一（東京大学大学院工学系研究科教授）
- 永谷圭司（筑波大学システム情報系教授）
- 宝野和博（国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長）
- 松澤昭（東京科学大学名誉教授）
- 三島茂徳（元防衛装備庁防衛技監）

• - 事務局長: 松本恭典（防衛装備庁技術戦略部長）

すべての委員は防衛省の参与として任命されており、委員長は防衛大臣の科学技術顧問も兼ねています。各委員の任期は2年で、年に約1本の分野に関するレポートを提出することが任務とされています。

まとめ

防衛科学技術委員会は、日本の防衛における科学技術戦略を強化するために重要な役割を果たしています。先端技術の研究開発が進む中、この委員会の活動は、日本の安全保障を支えるための重要な基盤となることでしょう。

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