阿満利麿

阿満 利麿（あま としまろ）

阿満利麿は1939年12月20日生まれの日本の宗教学者であり、明治学院大学の名誉教授です。彼の専門分野は宗教学と日本思想史に広がり、長い学術生活を通じて多くの著作を発表し、日本の宗教文化に深い考察を加えてきました。

人物背景

阿満は京都市に生まれ、家族は西本願寺の末寺という宗教的な背景を持っています。1962年に京都大学の教育学部を卒業後、同年4月にNHKに入局し、教養番組のチーフ・ディレクターなどを担当しました。1987年には明治学院大学の国際学部教授として迎えられ、ここで「民族学（フォークロア）」、「仏教文化論」、「日本文化論」といった科目を教えました。また、国際学部長や大学図書館長などの役職を担い、2006年3月に依願退職をし名誉教授となりました。

退職後は、同志と共に「連続無窮の会」を立ち上げ、様々なシンポジウムや講演に参加し、浄土宗・真宗系の関係者とも多く関わっています。特に、「念仏者九条の会」の呼びかけ人として、憲法九条の改正に反対する運動にも積極的に取り組んでいます。

受賞歴と主な著作

1986年には「宗教の深層ー聖なるものへの衝動」という著作でサントリー学芸賞を受賞しました。阿満の主要な作品には以下のようなものがあります：

• - 『中世の真実　親鸞・普遍への道』（1982年、人文書院）
• - 『宗教の深層 聖なるものへの衝動』（1985年、人文書院）
• - 『法然の衝撃 日本仏教のラディカル』（1989年、人文書院）
• - 『日本人はなぜ無宗教なのか』（1996年、ちくま新書）
• - 『日本精神史 自然宗教の逆襲』（2017年、筑摩書房）

これらの著作を通じて、阿満は日本人の宗教観や文化に対する深い洞察を提供し、多くの読者に影響を与えてきました。

学術的活動と出演

阿満は学術的な活動にも力を注いでおり、さまざまな論文を執筆してきました。2022年にはNHK Eテレの番組『こころの時代』に出演し、「歎異抄にであう　無宗教からの扉」というテーマで講演を行いました。また、NHK出版から刊行される新版『宗教のきほん　歎異抄にであう』の改訂版も2024年に予定されています。

彼の活動は現代における宗教の役割を再考するきっかけを提供し、多様な価値観が交錯する社会において、宗教が持つ力や影響力を改めて考えさせるものです。

結論

阿満利麿はその学問を通じて、日本の宗教的伝統や文化の理解を深めることに貢献してきました。彼の著作や活動は、日本における宗教の意義を伝える重要な資源となっています。

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