阿蘇 (装甲巡洋艦)

装甲巡洋艦 阿蘇の概要

阿蘇（あそ）は日本海軍が保有した装甲巡洋艦であり、正式には1等巡洋艦に類別されました。元はロシア帝国のバヤーン級装甲巡洋艦1番艦「バヤーン」であり、日露戦争中の旅順攻囲戦で大破した後、日本海軍に捕獲されました。浮揚修理を経て、「阿蘇」と改名されました。この艦名は、熊本にある阿蘇山に由来しています。

艦歴

バヤーンの時代

阿蘇の前身である「バヤーン」は1899年にフランスで起工され、1900年に進水し、ロシア帝国海軍に編入されました。1904年7月、日露戦争の一環として日本軍陣地に砲撃を行い、戦闘後に触雷して損傷。その後、旅順港での戦闘により大破します。1905年1月1日、旅順のロシア軍が降伏し、バヤーンは戦利艦として浮揚されました。

阿蘇の時代

バヤーンは1905年5月に浮揚作業が開始され、同年6月24日に成功。8月22日には日本艦籍に編入され、「阿蘇」と改名されました。その後、舞鶴鎮守府籍となり、内地への移送が行われました。阿蘇はその後、様々な任務に従事し、特に1911年から1914年にかけて練習艦隊での活動が記録されています。第一次世界大戦中は、日本近海での哨戒任務にも従事しました。

1920年には艦艇類別等級の改正により敷設艦に類別変更され、主砲塔が撤去されました。1940年にはシベリア出兵に関与し、艦の運用は続きましたが、1931年に除籍されることになります。

沈没

阿蘇は除籍後、標的艦としての使用が決まり、1932年に妙高型重巡洋艦に曳航されて演習に参加しました。その際、砲撃や雷撃を受けて沈没しました。沈没後、その艦名は雲龍型航空母艦5番艦として引き継がれましたが、同艦は未完成のまま特攻兵器の標的艦として運用され、最終的には呉軍港で着底しました。

艦長として指揮した者たち

阿蘇に任命された艦長たちは多岐にわたり、その中には石井義太郎大佐や佐藤鉄太郎大佐などが含まれています。彼らはそれぞれの時期において艦の運営に貢献しました。

参考文献

• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』第9巻・第10巻
• - 福井静夫『福井静夫著作集第10巻 日本補助艦艇物語』
• - 他関連資料

このように、装甲巡洋艦阿蘇は、日本海軍の歴史の中で、重要な役割を果たし続けました。その艦歴は日本の近代海軍史における興味深い一章を形成しています。

もう一度検索