阿見町立阿見中学校

阿見町立阿見中学校は、茨城県稲敷郡阿見町に所在する公立中学校です。戦後の教育改革によって設立された新制中学校として、1947年（昭和22年）にその歴史をスタートさせました。以来、地域の中心的な学び舎として、多くの生徒を育んできました。

沿革と特色

創立から間もない頃、本校は地域の学校再編の動きの中で、他の学校との統合を経験しました。1966年には朝日中学校と、翌1967年には君原中学校、舟島中学校とそれぞれ統合し、学校規模が拡大しました。

教育環境の整備も積極的に進められ、1969年にはプール、1972年には弓道場、1982年には武道館が敷地内に完成しました。これらの施設は、生徒たちの多様な学習や活動を支える基盤となっています。

一方で、地域の生徒数増加に伴い、新たな中学校の設置も進められました。これに伴い、1980年には阿見町立朝日中学校、1986年4月には阿見町立竹来中学校が、それぞれ本校から分離独立しました。これは、地域全体の教育機会を充実させるための措置でした。

阿見中学校の特筆すべき点として、教育活動全般における高い評価と、部活動を中心とした生徒たちの目覚ましい活躍が挙げられます。教育面では、1986年、1987年とソニー教育財団から教育助成校として連続して認定されたほか、県教育論文での優秀賞受賞など、先進的な取り組みが評価されています。また、「花と緑の環境美化コンクール」での会長賞受賞や、ボランティア活動による厚生労働大臣賞受賞（1991年）など、社会的な活動においても実績を残しています。生徒たちの表現力や思考力を育む教育も重視されており、1998年には「少年の主張全国大会」で文部科学大臣賞を受賞者も輩出しました。

文化面では、1988年の県吹奏楽コンクール金賞受賞など、芸術分野でも生徒たちの才能が輝いています。スポーツ分野での活躍は特に目覚ましく、バドミントン、剣道、陸上、弓道、野球、駅伝など、多くの競技で県大会優勝、関東大会での入賞、そして全国大会での上位進出や優勝といった快挙を成し遂げています。特にバドミントンは、男子団体やダブルスで複数回の全国優勝・入賞実績を持ちます。剣道も女子団体での全国優勝や男子個人での全国準優勝、陸上競技ではジュニアオリンピック女子100mH優勝、駅伝では全国都道府県対抗駅伝への出場など、その活動は全国レベルに及びます。これらの輝かしい実績は、生徒たちのたゆまぬ努力と、それを支える教職員、保護者、地域の熱意の結晶と言えるでしょう。また、2014年には文部科学省よりスーパー食育スクール（SSS）指定を受けるなど、生徒の心身両面にわたる健全な成長を促す教育にも力が入れられています。

教育方針と学校生活

阿見中学校では、「勤勉」「至誠」「剛健」を校訓として掲げ、心豊かでやる気に満ちた実力のある生徒の育成を目指しています。具体的には、「自ら学び、自ら考える、意欲のある生徒」「心豊かで気品のある生徒」「礼儀正しく、親切で思いやりある生徒」「郷土を愛し、自分に誇りを持つ生徒」「心身共に健康でたくましい生徒」といった、多面的でバランスの取れた生徒像を目標としています。

年間の学校行事は多岐にわたり、学びと成長の機会を提供しています。4月に入学式と始業式を迎え、新入生歓迎会や健康診断、避難訓練などが行われます。5月には3年生の修学旅行をはじめ、1年生の宿泊学習、2年生の校外学習が実施され、学年ごとの親睦と学びを深めます。6月には郡総体や期末テストが実施され、7月には体育祭の結団式を経て終業式を迎えます。夏季休業期間には職場体験学習も行われます。9月には学校最大のイベントの一つである体育祭が開催され、10月には文化祭である秋輝祭（しゅうきさい）で生徒たちの文化活動の成果が発表されます。その他、定期的な実力テストや学力診断テスト、生徒総会、三者面談などが年間を通して実施され、生徒一人ひとりの学習状況や進路を丁寧に支援しています。

部活動も盛んで、運動部、文化部ともに生徒たちの自主的な活動の場となっています。運動部には野球部、陸上部、水泳部、剣道部、柔道部、卓球部、サッカー部、バドミントン部、ソフトテニス部、バレーボール部、バスケットボール部、弓道部があり、多くの生徒が汗を流しています。文化部には科学部、吹奏楽部、美術部が設置され、創造的な活動に取り組んでいます。

環境とアクセス

本校の通学区域は、阿見町立阿見小学校区および阿見町立阿見第二小学校区の一部地区に設定されており、町内の広範囲から生徒が通学しています。

学校敷地内には、本校舎、広大なグラウンド、体育館、プールに加え、弓道場や武道場など、部活動をより効果的に行える施設が整っています。周辺地域には、通学区域内の小学校や阿見町役場、阿見町立図書館、中央公民館といった公共施設が集まっています。また、茨城大学農学部や茨城県立医療大学などの高等教育機関、自衛隊霞ヶ浦駐屯地飛行場なども近隣に位置しており、文教地区としての性格も持ち合わせています。

交通アクセスについては、学校の近くに関東鉄道バスの「阿見町役場前」「学校区」「県立医療大入口」などのバス停があり、バスを利用した通学が可能です。JR常磐線の荒川沖駅や土浦駅からはやや距離があるため、これらの駅からはバスを利用することになります。

著名な出身者

阿見中学校は、様々な分野で活躍する人材を輩出しています。プロ野球選手として活躍した飯田大祐氏、女子バレーボール選手の杉山加代子氏、そして阿見町長や阿見町議会副議長を務めた千葉繁氏などが、本校の卒業生として名を連ねています。

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