阿豆佐味天神社 (立川市砂川町)

阿豆佐味天神社（あずさみてんじんしゃ）

阿豆佐味天神社は、東京都立川市砂川町に所在する神社であり、地域の人々が信仰を寄せる重要な文化財として知られています。祭神には、医学や温泉の神として知られる少彦名命と、穀物や学問の神である天児屋根命が祀られています。境内には他にも多くの末社が存在し、それぞれ異なる神々が祀られています。

祭神と境内神社

本社の他にも、以下の神社が境内に点在します：

• - 水天宮社（安徳天皇・二位尼）
• - 蚕影神社（金色姫命）
• - 天神社（菅原道真公）
• - 八雲神社（素戔嗚命）
• - 稲荷社（倉稲魂命）
• - 疱瘡社（菊理姫命）
• - 御嶽神社（日本武尊）
• - 浅間神社（木花咲耶姫命）
• - 金刀比羅社（大物主命・崇徳天皇）
• - 八坂神社（素戔嗚命）

中でも注目されるのが、蚕影神社です。これは、かつて養蚕が盛んだった時代に、ネズミから蚕を守るために猫を奉る神社として建立されました。境内には猫を象った石像や絵馬が飾られ、「猫返し神社」としても知られています。この呼び名が広まったのは、1987年にジャズピアニストの山下洋輔が自身の猫の無事を願った結果、猫が帰ってきたエピソードがきっかけです。山下は後に「猫返し神社」というタイトルの本を出版するほど、この神社との結びつきを大切にしています。

歴史

阿豆佐味天神社は1629年に開設されました。当時は砂川村の鎮守として瑞穂町の神社から勧請されたものです。その後1738年に本殿が造営され、この建物は立川市内で最も古い木造建築物とされています。1862年には拝殿も建設され、1959年には殉国慰霊碑が建立されました。この神社は、1950年代の砂川闘争において、米軍基地の拡張反対運動の拠点としても利用されました。

建築様式

本殿は一間社流造の形式で、千鳥破風および軒唐破風が特徴であり、柿葺きの屋根が施されています。総高は約6メートルで、その美しい姿は通常覆殿によって覆われており、一般にはなかなか目にすることができません。建築年代については厳密には不明ですが、1708年に建立されたと考えられており、その後1741年には破損し、江戸時代中期に修復されたと言われています。2019年には大規模な修復が行われ、一般に公開されています。

年中行事

阿豆佐味天神社では毎年様々な行事が開催され、地域の人々が参加しています。元旦祭では新年を祝う行事が行われ、節分祭や春祭り、夏祭り、秋祭りなどが続きます。特に例大祭や秋祭りでは、山車や神輿が町を巡行し、境内では神楽や舞踊が奉納されて賑わいます。七五三やカマジメ切りなどの伝統行事も行われ、地元の人々に親しまれています。

交通アクセス

阿豆佐味天神社へのアクセスは、JR中央線立川駅からバスを利用し、「砂川四番」で下車後、徒歩1分の距離です。西武拝島線の武蔵砂川駅からも徒歩15分ほどで到着することができます。

この神社は地域の文化や歴史と深く結びついており、訪れる人々にとって大切なスポットとなっています。

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