阿部博幸

阿部 博幸（あべ ひろゆき）

阿部博幸は山口県に生まれた元卓球選手で、多くの名誉ある大会での成功によって日本卓球界にその名を刻みました。興國高等学校を経て、専修大学で卓球に励んだ後、協和発酵に所属しました。彼のキャリアはシングルスやダブルスにおいて数々の優成績で彩られています。

経歴

阿部は1973年にインターハイで輝かしい成果をあげました。この大会ではシングルス、さらに阪井一利とのペアでダブルスでも優勝し、若き日の卓球才能を証明しました。その後、全日本卓球選手権大会においてシングルスで1980年に優勝を果たし、ダブルスでも1976年、1977年にタイトルを獲得しました。特に1981年には阿部勝幸とのペアでダブルスでも優勝し、前原正浩とのコンビでも成功を収めました。

阿部はまた、3度にわたって世界卓球選手権代表に選出され、1979年の平壌大会と1981年のノヴィサド大会では共に団体戦で3位入賞しました。1983年の東京大会では、ダブルスの部で小野誠治とのペアでベスト4まで進出し、その実力を証明しました。1973年には、来日した世界チャンピオンの郗恩庭を下すという偉業も達成しました。また、1984年のピョンヤンで行われたフレンドシップ・ゲームズ（ドゥルージバ-84）では、小野誠治と組んで男子ダブルスで金メダルを手に入れるなど、輝かしい栄光の数々を獲得しました。

現役引退後は、専修大学でコーチや監督として後進の指導にあたり、さらに広尾学園や青山学院大学、さらにはインドやアラブ首長国連邦の代表コーチとしても活躍しました。彼の経験に裏打ちされた指導は、多くの選手にとって貴重なものであったに違いありません。

家族

卓球の才能は阿部家に受け継がれています。息子の一博も卓球選手として名を馳せており、早稲田大学を卒業後、2010年には全日本選手権で第2シードの松平健太を4回戦で下した実績があります。また、娘の恵も青山学院大学で卓球をしており、2006年には兄妹で混合ダブルスに出場し見事にベスト4に進出しました。

このように、阿部博幸はただ一人の選手に留まらず、家族全体が卓球の道を歩む名門となったことは、彼の影響力の大きさを物語っています。彼自身の成績やその後の指導者としての活躍は、日本卓球界に多大な貢献をしており、今もなお、若い選手たちにとってのロールモデルであり続けています。

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