阿部和成

阿部 和成のプロ野球選手としての軌跡

阿部和成は1989年5月19日、福岡県大牟田市に生まれた元プロ野球選手であり、投手としての素質を早くから示していた。彼の野球人生は、地元チームの大牟田イーグルスで始まり、小学校の1年生から軟式野球に親しんできた。小学6年生の頃にはエースとして福岡県大会に出場し、注目される存在となった。

中学は田隈中学校に進学し、軟式野球部に入部。2年生の秋には、県大会準決勝へチームを導く活躍を見せ、地元の大牟田高等学校からの進学が決定した。高校1年生の夏からはエースとして活躍し、2年生の秋には福岡県大会で優勝、九州大会で準優勝に輝く。3年生の春には選抜高等学校野球大会に出場し、佐野日本大学高等学校との対戦で先発投手として8回を投げるもチームは敗退。しかし、自責点は0であった。

2007年、阿部はNPBのドラフトで千葉ロッテマリーンズから4位指名を受け、契約金3000万円、年俸500万円で入団。背番号は60でスタートした。その後の彼はイースタン・リーグでの活躍を通じて、次第にその名を知られるようになった。

プロ入り初年度の2008年にはイースタン・リーグにおいて、先発とリリーフをこなして2勝を挙げ、防御率は3.29。翌年は登板機会が減り、2010年にはわずか10試合の登板に留まったが、2011年には自己最高の成績を記録。イースタン・リーグでの通算18試合登板で、防御率2.68の成績を残し、フレッシュオールスターゲームでも無失点に抑える好投を見せた。

彼の一軍デビューは2011年9月17日、対オリックス・バファローズ戦であった。続く2012年シーズンでは、一軍で6試合に登板し、防御率を3.95に改善。2013年には福岡ドームでの対ソフトバンク戦でプロ初勝利を挙げ、序盤から好調なパフォーマンスを見せた。

その後も彼は、イースタン・リーグでの成績を重ね、2014年には24試合に登板。しかし、成績が下降し、一軍には戻れなかった。2015年から2018年にかけては、一軍と二軍を往復しつつも、シーズンの終わりには成績は安定してきていたものの、チーム内の競争により出場機会は限られていた。

2019年、阿部は一軍での登板機会が4回と限られたが、プロ初ホールドを記録。その年の10月には戦力外通告を受けるも、同月30日に現役引退を発表した。引退後はロッテの二軍サブマネジャーとしてマネージメントに携わり、さらには球団広報となり、打撃投手も兼務することとなった。

選手時代の特徴として、彼はしなやかな腕振りから繰り出されるストレートと、切れ味鋭いスライダーが知られている。特に、2013年以降に導入されたシュートを加えたピッチングスタイルは、彼の強みとなった。また、高校時代には24本塁打を記録するなど打者としての能力も優れていた。周囲からは「阿部ちゃん」と親しまれ、人柄の良さでも知られている。

阿部和成のキャリアは、彼自身の努力と多彩な才能の結果であり、野球界での軌跡は多くのファンに愛され続けている。

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