阿部山 (北海道)

阿部山（あべやま）

阿部山は、北海道札幌市西区平和に位置する山です。

概要

標高は703メートル。琴似発寒川と宮城の沢川に挟まれた場所にあります。二つの川の合流地点近くには、観光名所である平和の滝があります。

山名は、この地を最初に所有していた人物に由来します。開拓当初は、木材資源が活用されていましたが、明治時代の末期ごろに中島商事株式会社が札幌鉱山を設立し、金、銀、銅などの採掘が行われるようになりました。

最盛期には、500人もの鉱員が働き、活況を呈していましたが、採算が合わなくなったため、1936年（昭和11年）または1937年（昭和12年）頃に閉山となりました。現在でも、川岸には当時の鉱山跡と思われる石積みがいくつか残されており、往時の様子を偲ぶことができます。

阿部山には、現在、整備された登山道は存在しません。そのため、登山を試みる際は、十分な準備と注意が必要です。

阿部山の歴史

阿部山の歴史は、その所有者の変遷と資源開発の歴史に深く関わっています。開拓初期の木材利用から、明治時代の鉱山開発へと、時代のニーズに応じた資源の活用が行われてきました。特に、札幌鉱山は、地域の経済に大きな影響を与え、多くの人々の生活を支えていました。閉山後も、その痕跡は残り、歴史を物語る存在となっています。

周辺情報

阿部山の麓には、平和の滝をはじめとする自然豊かな観光スポットが点在しています。琴似発寒川や宮城の沢川沿いを散策したり、滝の周辺で森林浴を楽しんだりすることができます。また、近隣には温泉施設もあり、登山や散策の後に立ち寄るのもおすすめです。

参考文献

『札幌地名考』さっぽろ文庫1
『札幌の山々』さっぽろ文庫48

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