阿部隆

阿部 隆（あべ たかし）

基本情報

阿部隆（あべ たかし、1967年8月25日生まれ）は、日本の将棋棋士であり、棋士番号171を持ちます。彼は田中魁秀九段の門下で、大阪府出身です。

棋歴

阿部は1981年12月に奨励会に入会し、そこから順調に昇級していきました。特筆すべきは、彼が降段点を一度も受けずに昇進を続けた点です。1985年6月10日、17歳9ヶ月という若さでプロ入りを果たし、その充実したキャリアの幕を開けました。

プロ入りの初年度には、第36回NHK杯で予選を通過し、本戦に出場しました。また、1989年度には第15期棋王戦でベスト8に進出し、シード権を獲得しました。さらに1996年度には、47勝を挙げ将棋大賞の最多勝利賞を受賞しています。しかし、順位戦では思うように昇級できない時期が続きました。C級2組からC級1組に昇級するまでに5年、B級2組昇級には6年、B級1組昇級には4年を要しました。

1993年から1994年にかけて行われた第12回全日本プロ将棋トーナメントでは決勝に進出し、中田宏樹との対戦で優勝。これが阿部にとって初の一般棋戦優勝でした。2000年には第20回オールスター勝ち抜き戦で優勝を果たし、強豪相手に5連勝を達成しました。2002年度の第15期竜王戦では、佐藤康光や藤井猛を破り、初のタイトル戦に進出しましたが、羽生善治竜王の前に敗れました。

2005年度には順位戦でA級昇級を果たしましたが、初めてのA級出場では期待に応えられず、B級1組に戻ることになりました。

珍記録とエピソード

阿部は将棋界において数々の珍しい記録を持っています。昇段においては、通算560勝を達成した後、ようやく八段に昇段した棋士として知られています。また、2020年には通算800勝を達成し、将棋栄誉敢闘賞を受賞しました。

将棋界では珍しいエピソードも多く、2005年の銀河戦での対戦中に相手が反則を犯したにもかかわらず、そのまま対局が続行されるという出来事がありました。2015年には、市井の将棋ファンにとって記憶に残る瞬間があり、秒読みの際に駒を飛ばしてしまい、自己投了に至るという珍事も起こりました。

人物像

対局に負けた際、阿部は感情的になることがあり、「こんなんこっちの勝ち」と嘆く姿が印象的です。勝利時には機嫌がよく、「勝てば仏、負ければ鬼」とも評されます。

趣味としては、プロ野球の西武ファンであり、また東北楽天ゴールデンイーグルスを応援しています。その応援の様子は、月1回のコラムに綴られることもあります。

昇段履歴

阿部隆の昇段履歴は次の通りです：

• - 1981年12月: 6級（奨励会入会）
• - 1982年1月: 5級
• - 1982年4月: 4級
• - 1982年11月: 3級
• - 1983年1月: 2級
• - 1983年4月: 1級
• - 1983年10月: 初段
• - 1984年6月: 二段
• - 1984年10月: 三段
• - 1985年6月: 四段（プロ入り）
• - 1989年8月: 五段（公式戦100勝）
• - 1992年11月: 六段（公式戦120勝）
• - 1997年6月: 七段（公式戦150勝）
• - 2005年2月: 八段（公式戦190勝）
• - 2020年7月: 九段（公式戦250勝）

主な成績

タイトル戦登場

• - 竜王戦: 1回登場・0獲得

一般棋戦優勝

• - 全日本プロ将棋トーナメント: 1回
• - オールスター勝ち抜き戦: 1回

将棋大賞

• - 第24回: 最多勝利賞、最多対局賞

このように、阿部隆は将棋界での独自の道を歩んできた棋士であり、数々の記録とエピソードでファンを楽しませています。

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