降旗徳弥

降旗徳弥（ふるはた とくや）

降旗徳弥は1898年9月18日に長野県の本郷村、現在の松本市に生まれました。彼は、信濃日報の社長や信越放送の取締役、長野放送の社長など、実業界での活動を経て、政治家としても多くの役職を歴任しました。特に衆議院議員や第2次吉田内閣での逓信大臣、松本市長としての貢献が評価されています。さらに、彼は松本市名誉市民としても名を馳せました。また、彼の三男である降旗康男は映画監督として知られています。

経歴

降旗徳弥は、父・降旗元太郎と母・令子の長男として誕生しました。父元太郎は立憲民政党の長老として11期の衆議院議員を務めた著名な政治家でした。降旗は旧制松本中学を卒業後、1923年に早稲田大学商学部を卒業します。松本中学時代には、後の労働大臣・官房長官となる増田甲子七と同級生でした。

大学卒業後、彼は大阪毛織に就職しますが、父の死去に伴い多額の借財を背負うことに。そのため降旗は職を辞し、信濃日報に副社長として参加し、負債の整理に取り組みました。1935年には長野県会議員選挙に立候補し、当選を果たします。長野県議会の若手議員として注目を集める中、1939年の凶作時には、農業保険制度の改善を訴え、知事に抗議を行いました。

1946年には衆議院議員総選挙に日本進歩党公認で立候補し当選。すぐに幣原喜重郎首相の秘書官に就任し、党内の派閥抗争に巻き込まれながらも、1948年には新たに民主自由党を結成し、副幹事長に就任します。

その後、昭和電工疑獄事件で内閣が倒れ、第2次吉田内閣が成立する際に逓信大臣として入閣しました。任期中、逓信省を郵政省と電気通信省に分割し、年賀はがきを復活させるなどの改革を行いました。

降旗は1950年代初頭の激しい選挙戦を経て、1957年に松本市長選に立候補し、当選を果たします。彼は市長として3期にわたり、松本の産業振興や新空港開港などの実績を上げました。さらに、全国市長会長にも選出され、地域の発展に大いに寄与しました。

政界から退いた後は、長野放送の社長として1980年まで活躍し、産業界と地域社会に貢献し続けました。さらに、早稲田大学の評議員や松本深志高等学校の同窓会長としても取り組みました。1995年に96歳でこの世を去るまで、降旗徳弥は多岐にわたる分野で存在感を磨き続けました。彼の政治と実業における功績は、後の世代に大きな影響を与えています。

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