陰門

陰門についての詳細な解説

陰門（いんもん）は、女性の外性器を指す言葉で、英語では vulva、複数形は vulvae または vulvas と言います。この用語は、女性の外陰部の各構成要素を包含した総称であり、女陰（にょいん）や外陰部（がいいんぶ）とも呼ばれます。陰門が閉じた状態は「陰裂」と称されます。

構成と機能

陰門は主に、恥丘、大陰唇、小陰唇、陰核、前庭球、尿道口、膣口から構成されています。これらの器官は、排尿や月経、さらには性行為に関わる大切な役割を果たしています。特に自然分娩時には、膣口から新生児が出生するため、この構造は生殖にとって不可欠です。

陰門には多くの独自の解剖学的特徴があります。これらは主に胎児期に形成され、成長していく過程での変化は分化や発育によって説明されます。通常、膣内は膣分泌液や常在菌（特にデーデルライン桿菌）によって清潔に保たれていますが、陰茎に比べて感染症に対しては脆弱であり、細菌感染のリスクが高いことがあります。

思春期に入ると、陰門の脂肪が蓄積し、大陰唇の形がふくらみ、さらに小陰唇も大きく厚くなります。この際、小陰唇は通常、ピンク色の色合いを持ち始めます。また、後に恥丘と大陰唇の皮下脂肪が増大することがあり、個体差もあるものの、大陰唇が黒くなる場合も見られます。乳房が Tanner 分類で第3または第4段階に達すると、大陰唇に沿って陰毛が生え始めますが、最初は大陰唇の内側に見られるため、仰臥位（あおむけの姿勢）の際には見落とされやすいです。その後、陰毛は周辺にも広がっていきます。

脈絡のある語源

「陰門」という名称は、中世ラテン語の「volva」または「vulva」が起源であり、これらはともに女性の生殖器を指す言葉でした。ラテン語の別表現として「genitalia feminina externa」（女性の生殖器の外側）も用いられています。

性差と解剖学的相同性

外性器は胎児発生時からほぼ同一の組織が成長しますが、性別によってそれぞれの構造に違いがあります。一般に、外性器は性別にかかわらず相同性を持つとされ、解剖学的には外陰部の検査は男性器の発生学的検査に関連することが多いです。例えば、陰核の亀頭は男性の陰茎の亀頭に相当し、また大陰唇や小陰唇は陰嚢や陰茎周辺の皮膚、陰茎包皮にそれぞれ関連性を持っています。バルトリン腺は男性のカウパー腺との相同性があります。

構造の詳解

陰門の構造は以下の通りです：

• - 恥丘
• - 陰唇（大陰唇と小陰唇の2つから成る）
• - 前庭球（男性の尿道海綿体に相当）
• - 陰核亀頭および陰核包皮
• - 膣前庭
• - 尿道口
• - 膣口および処女膜
• - その他の構造（バルトリン腺、スキーン腺、傍尿道腺など）

このように、陰門は複雑で多様な構造を持ち、さまざまな機能を果たすために進化してきました。

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