陳壮

陳壮（ちん そう、1439年 - 1504年）は、明代の官僚であり、字は直夫、号は古迂と称しました。本貫は紹興府山陰県にあります。

生涯
陳壮は陳簡と徐氏の間に生まれました。1464年（天順8年）に進士に及第し、その才能を認められて南京貴州道監察御史に任じられました。官僚としてのキャリアをスタートさせた陳壮は、早くもその正義感と勇気を示す出来事を経験します。1467年（成化3年）には、翰林院編修の章懋らが建言によって罪に問われた際、陳壮は彼らを救うために抗議の上疏を行いました。この行動は、彼が不当な権力に対して臆することなく立ち向かう人物であることを示しています。

成化帝が宦官を派遣して花木の採集を命じた際には、陳壮は再び上疏を行い、この政策を諫めました。また、南京戸部尚書の陳翌が、百官の俸給を馬豆で代用しようとした際には、陳壮は「馬豆は馬を養うためのものであり、士大夫を養うことはできない」と主張し、この案を阻止しました。これらの行動から、陳壮は民の生活を第一に考え、不正や不当な行いを許さない強い意志を持っていたことがうかがえます。

父の死去に伴い、陳壮は一度官を辞して喪に服しました。喪が明けると陝西道監察御史に転じ、その後、母の死去によって再び辞職し、喪に服しました。喪が明けた後、彼は河南道監察御史に転じました。その後、江西按察使司僉事を務め、致仕して故郷に帰りました。故郷では十数年にわたり静かに過ごしました。

弘治年間に入ると、南京兵部尚書の張悦の推薦により、陳壮は再び官界に復帰し、福建按察使司僉事として督理屯田を担当しました。しかし、2年後には再び致仕を願い出ました。1500年（弘治13年）に倪岳が吏部尚書に就任すると、陳壮は河南按察副使に抜擢されました。この時、飢饉が発生した際には、陳壮は自ら陣頭に立って民衆の救済に尽力しました。僉都御史の林俊が病のため帰休することになった際には、林俊は自らの後任として陳壮を推挙しましたが、陳壮は転任することなく、再び致仕を願い出ました。鄖陽撫治の孫需が陳壮を慰留しようと上奏しましたが、その2年後、陳壮はついに致仕することができました。

1504年（弘治17年）11月13日、陳壮は66歳で生涯を終えました。彼の生涯は、官僚としての責任感、民への深い愛情、そして不正を許さない強い正義感に彩られていました。これらの資質は、彼を明代の名官として歴史に名を残すことになった要因と言えるでしょう。

参考文献
『明史』巻161 列伝第49
河南按察司副使致仕陳君直夫墓誌銘（李東陽『懐麓堂集』巻87所収）

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