陳諤

陳諤（ちん がく）

陳諤は、明代に活躍した官僚であり、字を克忠と称しました。当初は一諤と名乗っていましたが、後に改名しています。彼の出身地は広州番禺県です。1377年11月10日に陳以恵と杜氏の次男としてこの世に生を受けました。

官僚としての歩み

1408年、陳諤は郷挙によって太学に入学し、官僚としての道を歩み始めました。1410年には刑科給事中に任じられ、その才能を発揮し始めます。しかし、永楽帝への直諫が皇帝の怒りを買い、奉天門外に穴埋めにされるという憂き目にあいます。それでも、7日後に奇跡的に生き延び、釈放されるという、驚くべき経験をしています。その後、吏科都給事中に進みましたが、再び永楽帝の意に逆らったため、象房の修築を命じられるなど、波乱に満ちた官僚生活を送りました。

1411年には、永楽帝の命を受けて雲南への使節を務め、その外交手腕を発揮しました。帰還後には通政司の事務を代行し、1413年には応天府の事務、1416年には鴻臚寺の事務、1417年冬には工部の事務をそれぞれ代行するなど、多岐にわたる行政手腕を示しました。

地方官としての活躍

1418年4月、陳諤は順天府尹に任命されました。彼の統治は厳しく、時には荒々しいと評されることもありましたが、その手腕は高く評価されました。1419年10月には湖広按察使として地方に赴任し、3年間で刑政を粛正するなどの実績をあげました。1423年6月には山西按察使に転じましたが、事件に連座して官を剥奪されてしまいます。しかし、1424年に洪熙帝が即位すると、大赦により按察使の官に復帰することができました。

1425年、湖広按察使時代に楚王朱楨の妨害をしたという咎で海塩知県に左遷されてしまいます。その後、荊王長史に転じますが、母の死去により辞職し、喪に服しました。1428年に喪が明けて復職することになりますが、荊王朱瞻堈に嫌われ、鎮江府同知に転任となります。鎮江府同知時代には、周忱が淮河の水運を監督する中で、堤防の修築に携わりました。後に致仕して帰郷し、1444年3月23日に68歳でその生涯を閉じました。

人物像

陳諤は、その生涯を通じて、時に皇帝の逆鱗に触れながらも、持ち前の剛直さと行政手腕で数々の功績をあげました。彼の官僚としての人生は、決して平坦なものではありませんでしたが、その不屈の精神と才能は、後世に語り継がれるべきものでしょう。

参考文献

『明史』巻162 列伝第50
鎮江府同知陳公墓誌銘（徐紘『明名臣琬琰録』巻24所収）

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