陳賢 (栄昌伯)

陳賢（ちん けん）

陳賢は、生年不詳ながら1415年に没した、明代初期の武将です。本貫は寿州にあります。

生涯

陳賢は、当初、洪武帝に仕え、その軍功により雄武衛百戸に任命されました。その後、西番や雲南への遠征、さらには北征にも従軍し、ブイル湖にまで到達するなど、各地で目覚ましい功績を上げました。これらの功績が認められ、燕山右護衛指揮僉事に昇進しました。

1399年（建文元年）に靖難の変が勃発すると、陳賢は燕王朱棣（後の永楽帝）に従い、各地を転戦しました。彼は敵陣に果敢に突入し、難攻不落の陣を次々と陥落させたことから、その勇猛さは軍中に広く知れ渡りました。その武功によって、都督僉事にまで累進しました。

1403年（永楽元年）4月、陳賢は長年の功績が認められ、栄昌伯に封じられました。さらに、1000石の禄を賜り、その地位と功績が確固たるものとなりました。1410年（永楽8年）、神機将軍の号を与えられ、永楽帝による第一次漠北遠征に従軍しました。1415年（永楽13年）11月、その生涯を終えました。

子女

陳賢の子である陳智もまた、父の跡を継ぎ、軍人として活躍しました。陳智は、常山右護衛指揮となり、父の爵位である栄昌伯を継承しました。宣徳年間には、参将として征夷将軍の号を受け、交趾（現在のベトナム北部）に駐屯しました。

しかし、当時、黎利率いる勢力が拡大しており、陳智はこれに対抗することができず、敗戦を喫してしまいます。この責任を問われ、爵位を剥奪され、事官に降格されました。その後、王通に従って再び功績を上げますが、任地を放棄して北京に帰還したため、投獄されることとなりました。しかし、ほどなくして釈放され、正統初年には指揮使として再び起用されました。

まとめ

陳賢は、明代初期の動乱期において、数々の戦で武功を立て、その名を歴史に刻んだ武将です。彼の活躍は、子の陳智にも受け継がれましたが、陳智は父ほどの功績を上げることはできませんでした。陳賢の生涯は、明朝初期の軍事史における重要な一例と言えるでしょう。

参考文献

* 『明史』巻146 列伝第34

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