陶成

陶成（とうせい、1390年 - 1450年）は、明代に活躍した官僚であり、軍人としてもその名を残しました。字は孔思といい、本貫は梧州府鬱林州にありました。

生涯

陶成は永楽年間に郷挙に及第し、その才能を認められて交趾鳳山典史に任じられました。その後、尚書の黄福に見出され、諒江府教授を代行するよう命じられます。任期を終えると、山東按察司検校に転じ、その能力がさらに高く評価され、大理寺評事に抜擢されました。

正統年間に入ると、劉中敷の推薦により、陶成は浙江按察僉事に任命されました。1443年（正統8年）、倭寇が桃渚に侵攻した際、陶成は巧みな戦略を用いて倭寇を撃退しました。彼は事前に釘板に布を被せ、海砂の中に沈めておき、倭寇が攻めてきた時に船を準備して釘板を引き上げ、その釘で倭寇の船底に穴を開けるという奇策を実行しました。これにより、倭寇は恐れて退却しました。

1449年（正統14年）3月、処州で葉宗留・陳鑑胡・陶得二らが反乱を起こし、蘭渓県を攻撃しました。陶成はこれに対し、反乱軍を討伐し、数百人を斬るという武功を挙げました。さらに進軍して武義県に駐屯し、木城を築いて守りを固めました。彼は反乱軍の内応を誘い、数百人を斬首、100人以上を生け捕りにしました。反乱軍の根拠地を攻撃し、3000人以上を降伏させるなど、その勢力を大きく弱めました。しかし、陶得二は依然として健在でした。同年11月、陶成は浙江按察副使に昇進します。

1450年（景泰元年）5月、陶得二の勢力が再び活発化し、大軍を率いて武義県への進攻を試みました。反乱軍の先遣隊は、避難民を装い、襤褸を着て薪を背負い、城内に侵入しました。陶成が出撃したところ、侵入した反乱軍は薪に火をつけ、木城を焼き払いました。官軍は混乱し、潰走、陶成は都指揮僉事の崔源とともに戦死しました。その功績を称えられ、1452年（景泰3年）1月、布政司左参政の位を追贈されました。

陶成には、陶魯という息子がいました。

まとめ

陶成は、その生涯を通じて官僚としてだけでなく、軍人としても卓越した能力を発揮しました。倭寇撃退や反乱鎮圧など、数々の功績を残しましたが、最期は戦場で散りました。彼の功績は後世に語り継がれ、その名前は歴史に刻まれています。

参考文献

* 『明史』巻165 列伝第53

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