陶魯

陶魯（とう ろ、1434年 - 1498年）は、明代に活躍した官僚であり軍人です。字は自強、号は節庵と称し、本貫は広西省梧州府鬱林州にありました。

生涯

陶魯は陶成の子として生まれ、その家柄により新会県丞に任官されました。当時、広西では瑶族が各地で略奪を繰り返し、官吏を殺害するなどの反乱が頻発していました。新会県でも反乱軍の動きがあり、無頼の徒がこれに呼応しようとしていました。陶魯は、新会県の有力者たちを説得し、城の守りを固め、反乱軍を撃退することに成功しました。

1463年（天順7年）、県丞の任期を終えた陶魯の功績が巡撫の葉盛により上奏され、新会知県に昇進しました。その後、反乱軍を鎮圧した功績により、知県の職務を兼ねたまま広州府同知に進みました。

1465年（成化元年）、陶魯は広東副使の毛吉の下で大磴の反乱軍討伐に参加しました。翌1466年（成化2年）には、総督の韓雍に従い、大藤峡の反乱鎮圧で功績を挙げました。韓雍の推挙により、陶魯は僉事に抜擢され、新会・陽江・陽春・瀧水・新興の諸県の兵を指揮することになりました。同年の冬には、参将の王瑛と共に欽州・化州で廖婆保らが率いる反乱軍を打ち破りました。1467年（成化3年）には、参将の夏鑑らと共に思恩府・潯州で黄公漢らの反乱軍を連破しましたが、その後、反乱軍は石康を陥落させ、知県の羅紳を捕らえました。陶魯は再び夏鑑と協力し、反乱軍を六菊山まで追撃して撃破しました。両広地域では韓雍の離任後、総督が置かれていませんでしたが、陶魯は重臣を梧州に派遣して軍府を設置し、恒久的な制度とすることを提言しました。1476年（成化12年）には副使に昇進しました。

1484年（成化20年）、陶魯は荔浦の瑶族討伐の功績により、俸給が一級加増されました。1485年（成化21年）には、両広での兵権を保持したまま湖広按察使に進みました。1487年（成化23年）、鬱林州陸川県で黄公定・胡公明らが反乱を起こすと、陶魯は参将の欧磐とともに五方面から討伐作戦を展開し、反乱軍を撃破し、130か所の拠点も破壊しました。

1491年（弘治4年）、陶魯は総督の秦紘の命を受け、徳慶の瑶族の反乱を鎮圧しました。1495年（弘治8年）には、湖広右布政使に昇進し、翌1496年（弘治9年）には湖広左布政使兼広東按察副使に転じ、嶺西道の事務を統括しました。その功績から「三広公」と称されました。1498年（弘治11年）2月、陶魯は生涯を閉じました。

陶魯の子である陶荊民は、父の功績により副千戸に進み、世襲を許されました。


陶魯は、その生涯を通じて、各地の反乱鎮圧に尽力し、明朝の安定に大きく貢献した人物でした。

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