陶興昌

陶興昌（すえ おきまさ）

陶興昌は、戦国時代の武将であり、大内氏に仕えた家臣です。陶興房の長男として生まれ、隆房（後の晴賢）の兄にあたります。

生涯

永正元年（1504年）に、陶興房の長男として誕生しました。

安芸国からの帰陣

厳島神社の神官であった野坂房顕の覚書には、大永5年（1525年）3月18日に、父である陶興房とともに安芸国佐西郡に在陣していた「陶ノ次郎興次」が、療養のために帰国する様子が記録されています。この「次郎興次」は、当時の興昌であると推定されています。

父の興房は、大永2年（1523年）から安芸国において、安芸武田氏の武田光和や厳島神主家の友田興藤らと激しい戦いを繰り広げていました。

興昌は、岩戸（現在の広島県廿日市市佐方）の陣から船で帰国の途につきました。父の興房は沖まで出て見送りました。また、厳島に駐屯していた弘中武長や大内氏方の水軍の将、野坂房顕らが船中に挨拶のために訪れました。父子の別れに、武長らは涙を流していたと房顕は覚書に記しています。

最期

享禄2年（1529年）4月23日に、興昌は死去しました。享年は25歳であったとされています。山口県周南市大字下上横矢にある海印寺には、興昌の供養塔が保存されています。小宝篋印塔の塔身には「春翁透初/享禄二六月十二日」とあり、興昌の法名と没後の紀年が刻まれており、亡くなってから四十九日後の造立であったことがわかります。

脚注

参考文献

播磨定男　『山口県の歴史と文化』　大学教育出版　2002年　ISBN 4-88730-475-7
福田直記 編著 『棚守房顕覚書 付解説』 宮島町 1975年

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