陸上自衛隊開発実験団

陸上自衛隊開発実験団について

陸上自衛隊開発実験団（JGSDF Test and Evaluation Command: TECOM）は、陸上自衛隊の教育訓練研究本部に所属し、富士駐屯地に所在する部隊です。この部隊は、陸上装備品等の開発実験、実用試験、射表の作成、そして自衛隊の任務や野外環境で発生する傷病（NBC兵器によるものを含む）の予防や応急処置に関する調査研究を主な任務としています。

概要

開発実験団は、その前身となる富士学校装備開発実験隊、航空学校飛行開発実験隊、そして各職種学校の装備研究部門が統合されて誕生しました。団長は、理工学系の博士号または修士号を持つ陸将補（二）が務めることが基準とされています。

自衛隊法施行令第32条に基づき編成されており、他の団編成の部隊とは異なり、副団長や高級幕僚の役職は設けられていません。これは、より専門的かつ効率的な組織運営を目指した結果と考えられます。

沿革

• - 1958年（昭和33年）6月25日：富士学校総合研究部を改編し、機械化実験隊が発足。
• - 1970年（昭和45年）8月5日：機械化実験隊が装備開発実験隊に改編。
• - 2001年（平成13年）3月27日：陸上自衛隊研究本部の隷下部隊として開発実験団が新編。

- 富士学校総合開発研究部を母体に団本部が新編。
- 装備開発実験隊を母体に装備実験隊が新編。
- 航空学校飛行開発実験隊を母体に飛行実験隊が新編。
- 衛生学校研究部の一部を母体に部隊医学実験隊が新編（三宿駐屯地）。

• - 2018年（平成30年）3月27日：陸上自衛隊研究本部の廃止に伴い、陸上自衛隊教育訓練研究本部隷下に編成替え。

部隊編成

開発実験団は、以下の部隊で構成されています。特に記載がないものは、富士駐屯地に所在します。

• - 開発実験団本部

- 総務科：団全体の総務を担当。
- 計画科：調査研究、実用試験、射表の作成、技術試験、隊員の教育訓練を担当。
- 評価科：陸上装備品等の研究改善、装備品の評価を担当。

• - 装備実験隊

- 装備実験隊本部
- 第1実験科：車両、施設器材、化学器材、需品器材を担当。
- 第2実験科：火器、ロケット、弾薬を担当。
- 第3実験科：誘導武器を担当。
- 第4実験科：電子機器、通信器材を担当。
- 第5実験科：指揮統制装置、情報器材を担当。
- 第6実験科：射表作成を担当。
- 第7実験科：計測業務を担当。

• - 飛行実験隊（明野駐屯地）

- 飛行実験隊本部
- 計測解析班：航空機等の実用試験の計画と実施を担当。
- 飛行班：航空機等の操縦を担当（OH-1、AH-64Dなど）。
- 整備班：航空機等の整備、補給を担当。

• - 部隊医学実験隊（三宿駐屯地）

- 部隊医学実験隊本部
- 医学・特殊武器衛生研究科
- 実験科

主要幹部

開発実験団の主要幹部は、高度な専門知識と経験を持つ隊員で構成されています。団長を始め、各科の長は、それぞれの分野で専門的な知識と技術を持って部隊を率いています。

廃止部隊

過去には以下の部隊が存在しましたが、現在は廃止されています。

• - 機械化実験隊：1970年（昭和45年）8月4日廃止。
• - 装備開発実験隊：2001年（平成13年）3月26日廃止。
• - 航空学校飛行開発実験隊：2001年（平成13年）3月26日廃止。

関連情報

開発実験団は、技術研究本部や防衛装備庁とも連携しており、技術高級課程（TAC）を通じて人材育成も行っています。また、陸上自衛隊開発実験団の組織に関する訓令は、外部からも閲覧可能です。

開発実験団は、陸上自衛隊の装備開発と医学研究において重要な役割を担っており、その活動は自衛隊の近代化と隊員の安全確保に不可欠なものです。

もう一度検索