陸地測量部

陸地測量部について

陸地測量部（りくちそくりょうぶ）は、日本陸軍の重要な外局の一つであり、国内外の地理や地形の測量および管理で活動していました。この機関は、現在の国土地理院の前身となっています。

沿革

陸地測量部の起源は、1871年（明治4年）の兵部省に設置された陸軍参謀局に遡ります。前は参謀本部測量局が存在し、1888年になると陸地測量部條例（明治21年5月勅令第25号）に基づいて、陸軍参謀本部の下に独立した官庁として設立されました。初期は参謀本部庁舎の3階を借りて活動を始め、その後、本部が新しい庁舎に移転する際には、独自にその庁舎を占有しました。特に注目すべきは、当時設置された日本水準原点で、現在も公的な建物の一環として機能しています。

陸地測量部が成立した時、三角測量、地形、製図の三つの科と、教育機関である修技所が設立されました。この修技所は後に国土交通大学校の元となる組織です。初代部長には小菅智淵工兵大佐が任命されました。修技所は1888年に東京都内の別の場所に移転しました。

組織の変遷

陸地測量部の歴代の長官や部長は、主に陸軍中将や工兵大佐が任命されてきました。1891年には地形科が麹町区に移転し、さらに1903年には修技所が別の位置に移りました。1941年には「陸地測量部令」が制定され、組織が再編されました。これにより総務課が新設され、従来の三科がそれぞれの課に再構成されました。

この陸地測量部は、戦前における日本の地図データの主要な作成機関でしたが、戦後に参謀本部が解体された影響で、業務は内務省地理調査所に引き継がれ、最終的に国土地理院として現在の形に至っています。

歴代陸地測量部長

陸地測量部には多くの部長が存在し、その中には明治時代から昭和時代にかけて多くの重要な人物が名を連ねています。初代部長である小菅智淵工兵大佐を皮切りに、次代に続く部長たちは日本の測量技術を発展させる役割を担ってきました。

代表的な地図作成

陸地測量部が関与した代表的な地図には、二十万分一の地図や五万分一の地形図、二万分一地形図などがあり、これらは明治4年からの長い歴史の中で蓄積された情報に基づいて作成されています。また、伊能図などの歴史的な資料を駆使して、多様な地図を生み出しました。

まとめ

陸地測量部は日本の地理学において重要な役割を果たし、その知識は国土地理院として現在も引き継がれています。日本の地図作成の基盤を支えたこの機関の歴史は、地理を理解する上で非常に重要です。

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