陸昊

陸昊（りく こう）

陸昊は、中華人民共和国の政治家であり、現在は自然資源部長を務めています。彼は以前、黒竜江省の省長や中国共産主義青年団（共青団）中央書記処の第一書記といった要職を歴任しました。

略歴

1985年、18歳で北京大学に入学。同年5月には中国共産党に入党し、1987年には北京大学学生会の主席に選出されました。1989年に大学を卒業後、北京の国有企業である北京紡維に就職し、工場長などを務めました。工場長時代には、赤字解消に貢献し、その経験をもとに執筆した論文「国有企業の赤字解消に関する研究」などが評価され、1998年に「北京市10大傑出青年」に選ばれました。

当時の朱鎔基首相に才能を見出され、中国のシリコンバレーとも呼ばれる北京市中関村地区のトップなどを歴任した後、北京市副市長に抜擢されました。当時35歳という若さでの直轄市副市長就任は、最年少記録を更新しました。その後、2008年5月には、共青団のトップであった胡春華の後任として、共青団第一書記に就任しました。黒竜江省省長就任時には、将来的に胡春華に次ぐ最高指導者候補として注目を集めました。

2018年3月、自然資源部長に就任。

発言と騒動

2016年3月6日、全国人民代表大会の黒竜江省代表団会議において、陸昊が「坑内労働者8万人については、現在までのところ、給与の遅配もなければ、収入減もない」と発言しました。しかし、これに対し、龍煤集団双鴨山集団の坑内労働者たちが3月9日にストライキに突入。3月11日には数千人が「我々は生きねばならない。我々は食べねばならない」と書かれた横断幕を掲げ、双鴨山市の街頭をデモ行進しました。翌12日には、デモ参加者がさらに増加し、「陆昊睁眼说瞎话（陸昊は公然と嘘をつく）」、「共产党还我们钱（共産党は我々のカネを返せ）」などと書かれた横断幕を掲げてデモを行いました。この抗議活動は、3月14日に軍と警察によって鎮圧されるまで続きました。

事態を重く見た陸昊は、3月12日に北京で「龍煤集団苦境脱却発展特別会議」を招集し、「龍煤集団の坑内労働者に給与の欠配や各種保険料の未納があり、少なからぬ労働者が生活に困難を来している」と述べ、自身の発言が誤りであったことを認めました。また、メディアに対し、「私の発言が誤っていた。どのレベルの報告が誤っていたか、その原因が何であるかにかかわらず、誤りは正さねばならないし、問題は解決せねばならない」と語り、「要吸取报告失实的教训（報告が事実と合わないという教訓を汲み取らねばならない）」と述べ、深い反省の意を示しました。

陸昊は、その若さと才能で早くから注目を集め、将来を嘱望された政治家でしたが、この失言騒動は彼のキャリアに大きな影を落とすこととなりました。この経験を活かし、今後の政治活動でどのような手腕を発揮するのか、注目されます。

もう一度検索