陸羽地震

陸羽地震（1896年）

陸羽地震は、1896年8月31日午後5時06分27秒に発生した逆断層型の内陸直下型地震で、マグニチュードは7.2を記録しました。この地震は、秋田県と岩手県の県境にある真昼山地の直下で発生しました。震源は10キロメートルより浅く、震源近くでは震度6、一部の地域では震度7の揺れが観測されています。

被害状況

この地震は特に横手盆地の周辺で大きな被害をもたらしました。仙北郡の千屋、長信田、畑屋、飯詰、六郷などの集落では、全戸数の70%以上が全壊または半壊する事態となりました。全体の被害は大規模で、死者209人、負傷者779人、家屋全壊5,792戸、半壊3,045戸、さらに山崩れは9,899箇所に及びました。このことから、地震がもたらした影響の深刻さが伺えます。

地震のメカニズム

地震の発生場所は、横手盆地の東縁に位置し、横手盆地東縁断層帯が活動していました。ここでは、白岩断層群や川舟断層など複数の断層が関与しています。調査によれば、田沢湖町から六郷町にかけての約30キロメートルの区間で、千屋断層が確認されています。この断層では、東側が最大3.5メートル上昇していることが分かっています。また、和賀郡沢内村でも川舟断層が活動し、西側が最大で2メートル上昇しました。

誘発地震の背景

陸羽地震は、約2か月半前の1896年6月15日に発生した明治三陸地震の影響を受けている可能性があると考えられています。また、1891年に発生した濃尾地震との関連性も指摘されています。これらの地震が陸羽地震にどう影響を与えたのかは、今後の研究においてさらに解明されるべき課題です。

まとめ

陸羽地震は秋田県と岩手県に大きな被害をもたらした、日本の歴史の中でも重要な地震の一つです。地震発生後の復旧活動や防災対策の必要性が増し、この地域の地震危険度を見直すきっかけともなりました。地震のメカニズムや被害状況の詳細を把握することは、今後の災害対策に有効に活用されなければなりません。自然災害の脅威を軽減するためには、過去のデータや調査結果から学ぶことが重要です。

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