陸軍砲兵観測機

陸軍砲兵観測機（RGK）

陸軍砲兵観測機は、日本の大日本帝国陸軍によって第二次世界大戦中に計画された観測機です。この機体は、主に砲兵隊が弾着の観測のために使用することを目的としています。しかしながら、陸軍航空本部の管轄外での開発が行われたため、正式な機体番号（キ番号）は登録されていません。

機体の特徴

この観測機は、従来の観測機の設計とは異なり、大型の三座機となっています。三座配置により、観測員、操縦士、及び通信士の三名が搭乗できるよう考慮されています。設計自体は行われましたが、実際には製作には至らなかったため、飛行したことはありません。

計画の経緯

当時、日本の航空技術は急速に発展していましたが、戦局の変化や技術的な制約によって、多くの計画が中止されました。この陸軍砲兵観測機も、その例に漏れず、計画段階で終わってしまいました。設計が完了した時点でプロジェクトは中止され、結果的には他の類似機との競争に敗れる形となりました。たとえば、同じく観測機として計画されたテ号観測機と比較すると、サイズや搭乗人数において明確な違いがあります。

機体の諸元

計画された陸軍砲兵観測機の主な諸元は次の通りです：

• - 全長: 12.8 m
• - 全幅: 21.0 m
• - 全高: 2.7 m
• - エンジン: 中島 ハ1甲 空冷星型9気筒（550 hp） × 1
• - 乗員: 3名

搭載されるエンジンは、当時の技術で開発されたものであり、950馬力クラスの出力で安定した飛行を可能にしていました。また、この機体の設計には、戦術的な要件が考慮されており、特に精密な飛行性能を求められました。そのため、安定性や操縦性に優れた機体設計が求められたのです。

参考文献

この機体に関する情報を詳しく知りたい方には、以下の文献を参考にすることをお勧めします。特に、野沢正の著作『日本航空機総集 九州・日立・昭和・日飛・諸社篇』や佐原晃の『日本陸軍の試作・計画機 1943〜1945』は、当時の航空機計画の詳細について記載されています。

関連項目

陸軍砲兵観測機に関連する他の機体として、三式指揮連絡機やカ号観測機が存在します。これらの機体も、陸軍の航空戦略の一環として重要な役割を果たすことが期待されていましたが、同様に多くが計画止まりとなった歴史を持っています。

この観測機は、設計の段階で消えてしまったものの、その背景には当時の航空技術の挑戦と、戦争の影響が複雑に絡み合っています。

もう一度検索