隅田町

隅田町について

隅田町（すみだまち）は、かつて東京府南葛飾郡に存在した町です。現在の墨田区の北部に位置しています。1889年（明治22年）に周辺の村々が合併して隅田村として発足し、その後1923年（大正12年）に町制を施行して隅田町となりました。

歴史

隅田村の発足

1889年（明治22年）5月1日、町村制の施行に伴い、以下の8つの村の一部が合併して隅田村が誕生しました。

善左衛門村の大部分（残部は大木村へ）
若宮村の大部分（残部は寺島村、立石村へ）
隅田村の大部分（残部は寺島村、南綾瀬村へ）
木ノ下村の飛地（大木村へ）
堀切村の飛地（南綾瀬村へ）
篠原村の飛地（立石村へ）
四ツ木村の飛地（立石村へ）
上木下川村の飛地（大木村へ）

町制施行

1923年（大正12年）8月15日、隅田村は町制を施行し、隅田町となりました。

荒川放水路の設置

1914年（大正3年）4月1日、荒川放水路の設置に伴い、大字若宮の大部分が収用されました。また、放水路右岸に残った部分は、本田村と南綾瀬村にそれぞれ編入されました。隅田村発足時に編入した飛地のうち、もと堀切村飛地は南綾瀬村へ、もと篠原村飛地およびもと四ツ木村飛地は立石村（後に本田村に改称）へ編入され、結果として本村と同じ自治体に収まりました。

東京市への編入

1932年（昭和7年）10月1日、南葛飾郡全域が東京市に編入され、隅田町の区域は向島区となりました。この際、隅田町一〜三丁目（大字隅田の大部分）、隅田町四丁目（大字善左衛門・若宮・上木下川の全域、および大字隅田字高森島の一部）が設置されました。

町域変更

1934年（昭和9年）6月1日、向島区隅田町二丁目の元綾瀬川以北と足立区千住曙町の元綾瀬川以南との間で町域の交換が行われました。この町域変更の協議は東京市編入前から隅田町と千住町の間で行われていました。

その後

1947年（昭和22年）3月15日、向島区は本所区と合併し、新たに墨田区が設置されました。

経済

産業

隅田町は農業が盛んな地域でした。

農業

『大日本篤農家名鑑』によると、隅田村には牟田口重蔵、鶴岡幸一郎、中村久次郎などの篤農家がいました。

交通

鉄道

東武鉄道
伊勢崎線：鐘ヶ淵駅

現在の地名

現在の墨田区の墨田、堤通二丁目のあたりが、かつての隅田町の範囲にあたります。

出身・ゆかりのある人物

鶴岡和修（衆議院議員、東京府会議員、亀戸町長、旧名・和文）

参考文献

大日本篤農家名鑑編纂所編『大日本篤農家名鑑』大日本篤農家名鑑編纂所、1910年。
『衆議院要覽 昭和3年 乙』衆議院事務局、1928年。
『葛飾区史 上巻』東京都葛飾区 1970年。

関連項目

* 東京都の廃止市町村一覧

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