難波田春夫

難波田 春夫について

難波田春夫（なにわだ はるお）は、1906年3月31日に生まれ、1991年9月1日に他界した日本の経済学者であり、関東学園大学の学長を務めました。彼の学問的なキャリアは、日本の経済学界において深い影響を持ち、数々の著作を通じてその思想を広めました。

生い立ちと教育

兵庫県に生まれた難波田は、1934年に東京帝国大学経済学部を卒業しました。その後は、同大学の経済学部にて助手としてのキャリアをスタートさせ、特に土方成美教授の指導を受けました。平賀粛学の問題により、1939年には同僚たちと共に辞表を提出しましたが、それは撤回され、やがて助教授へと昇進しました。

しかし、1945年に教員としての経歴に大きな転機が訪れます。東京帝国大学の経済学部教授会が退職を決定し、彼は大学を去ることとなります。翌年には公職追放の憂き目に遭うものの、講談社の協力を得て経済学研究所を設立し、所長を務めました。

教育者としての軌跡

1951年に公職追放が解除されると、1952年には東洋大学の教授に着任。その後、東京都立商科短期大学や早稲田大学社会科学部など、様々な大学で教育に携わり、1978年まで早稲田大学の教授として活躍しました。さらには高崎経済大学や大東文化大学で教授職を歴任し、関東学園大学や酒田短期大学においては学長として指導にあたりました。

学術的業績

難波田は、ヴェルナー・ゾンバルトの社会経済学を早期に日本に紹介しました。また、彼は共同体に基づく統制経済を主張し、その独自の見解のもと、多くの支持者を得ました。その中には、慶應義塾大学の学生であった伊藤淳二が含まれ、伊藤は戦争に出征する前に難波田に教えを請うために訪問しています。

彼のもとで育った弟子には、武井昭や田村正勝がいます。これらの弟子たちも、難波田の経済学思想を受け継ぎ、彼の影響を受けた人物とされています。

主な著作

難波田は多くの著作を残しており、その中には『国家と経済』や『近代日本社会経済思想史』などがあります。特に『国家と経済』は、彼の思想を具体的に示す重要な作品であり、1953年に出版され、後に続く巻も刊行されました。

さらに、彼の最も大規模な著作である『難波田春夫著作集』は全10巻からなり、経済学や社会哲学についての多様なテーマが扱われています。これにより、難波田の学問的な深さや広がりが確認できるようになっています。

最晩年

難波田春夫は1991年に85歳で逝去しました。彼の学問的貢献や教育に対する情熱は、今なお多くの人々に受け継がれており、経済学界における彼の業績は評価されています。

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