難波神社

難波神社

難波神社は、大阪市中央区博労町に位置する神社で、かつては府社でした。摂津国総社として、「難波大宮」や「平野神社」とも呼ばれ、地域の人々からは「上難波仁徳天皇宮」や「上難波神社」としても親しまれてきました。江戸時代には、境内に博労稲荷神社があったため、「稲荷社」として知られていました。

アヤメと神社

難波神社は、特にアヤメ類との縁が深く、毎年6月には「あやめ祭（菖蒲神事）」が盛大に執り行われます。この神事では、境内で育てられた美しい花菖蒲が神前に奉納され、その美しさを神様に捧げます。祭典中には、2人の巫女による神楽「菖蒲刈り」が舞われ、菖蒲を刈り取る優雅な所作が披露されます。神社の神紋は、菖蒲紋の一種である「抱き菖蒲」です。

歴史

難波神社の創建は、反正天皇の時代に遡ると伝えられています。当初は現在の大阪府松原市に鎮座していましたが、天慶6年（943年）に現在の天王寺区上本町へと遷座しました。慶長2年（1597年）には、豊臣秀吉の命により、立退料として2,000石を受け取り、現在の場所へと移りました。しかし、慶長20年（1615年）の大坂夏の陣後、江戸幕府によって境内地の9割が没収されるという苦難も経験しました。明治時代に入ると、府社に列せられましたが、1945年（昭和20年）3月13日・14日の第1回大阪大空襲で焼失。現在の社殿は、1974年（昭和49年）7月に再建されたものです。

祭神

難波神社の主祭神は、仁徳天皇です。また、素盞嗚尊も配祀されています。

境内

境内には、本殿、拝殿の他、以下の社があります。

本殿：1974年（昭和49年）7月に再建。
拝殿：1974年（昭和49年）7月に再建。
博労稲荷神社：倉稲魂尊を祀る摂社で、商売繁盛の神様として、船場の多くの商人から厚い信仰を受けています。江戸時代には、難波神社は博労稲荷神社がある神社として有名で、「稲荷社」と呼ばれていました。
金刀比羅神社：大物主神を祀っています。
十四柱相殿神社：左殿に豊臣秀吉公、菅原道真公、楠木正成公、徳川家康公、中殿に豊受姫大神、天照皇大神、応神天皇、右殿に水波能女大神、春日四柱大神、猿田彦大神、迦具土大神を祀っています。

その他、境内には社務所があります。

祭礼

難波神社では、年間を通じて様々な祭礼が執り行われます。

2月節分：節分祭・玉の緒祭
6月8日：菖蒲神事
7月20・21日：夏祭・氷室祭
10月20日：例祭・秋祭
11月：火焚祭
毎月1日・2月節分：湯立神楽

文化財

境内には、大阪市指定保存樹である御神木の楠があります。この楠は、大阪市の保存樹第1号であり、樹齢は約400年と推定されています。

関連項目

難波八阪神社 - 別名：難波下社。
生國魂神社 - 別名：難波大社。
高津宮 - 難波神社と同様に仁徳天皇を主祭神とする。

外部リンク

* 難波神社（公式HP）

もう一度検索