雪印種苗

雪印種苗株式会社について

雪印種苗株式会社は、北海道札幌市に本社を置く、雪印メグミルク株式会社の完全子会社です。種苗事業を核としつつ、養牛用飼料の製造・販売、緑化造園事業など、幅広い分野で事業を展開しています。

事業概要

1950年の発足当初は牧草や飼料作物の種子を扱っていましたが、その後、野菜種子、花卉種苗、緑肥作物種子、芝生・植生種子、果樹苗木など、事業領域を拡大してきました。

特に、牧草・飼料作物の種子においては国内シェア50%以上を占めるトップ企業であり、野菜種子分野でも、ホウレンソウ、エダマメ、カボチャなどで高い競争力を持っています。

販売面では、発足当初から通信販売に取り組み、札幌市の園芸センターでは一般消費者向けに種子や苗木、花卉の直売も行っています。かつては、新札幌駅前の商業施設内に生花店を出店していた時期もありました。

また、1952年からは、北海道の酪農に適した飼料の供給を目指し、乳牛用配合飼料の製造・販売を開始しました。現在では、飼料事業が売上高の大部分を占める主力事業となっていますが、近年は生乳需要の減少により、養牛飼料の需要環境も厳しくなっており、生産体制の再構築を進めています。

サッカー界への貢献

雪印種苗は、競技場用芝生を通じて日本のサッカー界に大きく貢献しています。数多くの競技場で同社の芝生種子が採用されており、Jヴィレッジのスポーツターフ造成では日本サッカー協会から感謝状を受賞しました。

品種偽装問題

2018年4月、長年にわたる牧草品種の偽装とその隠蔽工作が発覚しました。この問題を受け、当時の社長が引責辞任する事態となりました。その後、第三者委員会による徹底的な調査が行われ、詳細な調査報告書が農林水産省に提出されました。

資本構成と沿革

雪印種苗は、かつては株式上場をしていましたが、2008年に雪印乳業（現・雪印メグミルク）による株式公開買付けにより完全子会社化され、上場廃止となりました。

会社の沿革は以下の通りです。

1941年：有限会社北海道興農公社が種苗部を設置。
1950年：北海道バター株式会社（後の雪印乳業）から種苗部門が分離独立し、雪印種苗株式会社が設立。
1952年：乳牛用配合飼料の生産を開始、園芸部を設置。
1958年：造園部を設置し、緑化造園事業に進出。
1994年：東京証券取引所と札幌証券取引所に株式上場。
2002年：本社を現在地に移転。
2008年：株式上場廃止、雪印乳業の完全子会社化。

現業所と関係会社

雪印種苗は、技術研究所、研究農場、種子センターなどを複数展開しています。

現行の主な事業所

技術研究所（北海道江別市）
北海道研究農場（北海道夕張郡長沼町）
輪厚グリーンテック試験地（北海道北広島市）
千葉研究農場（千葉県千葉市稲毛区）
宮崎研究農場（宮崎県北諸県郡三股町）
鹿島工場（茨城県神栖市）
園芸センター（北海道札幌市厚別区）
札幌種子センター（北海道札幌市厚別区）
千葉種子センター（千葉県千葉市稲毛区）
熊本種子センター（熊本県菊池郡菊陽町）

主な関係会社

道東飼料株式会社
ホクレンくみあい・雪印飼料株式会社
株式会社ロイヤルファーム
那須ティーエムアール株式会社
株式会社グリーンプランナー
Snow Brand Seed USA, Inc.
株式会社アミノアップ
北海道農材工業株式会社
みちのく飼料株式会社
石巻飼料株式会社

恵庭荘、旧出納邸、酪聯発祥の地の碑

札幌市厚別区の現本社敷地内には、歴史的な建造物である「恵庭荘」と「旧出納陽一邸」があります。また、この地が雪印乳業の前身である北海道製酪販売組合の創業地であったことから、「酪聯発祥の地の碑」が建立されています。

主な生産品目

ピュアホワイト

参考資料

雪印種苗 編 『雪印種苗創立20周年記念社史』 雪印種苗、1970年。
雪印種苗 編 『雪印種苗50年史』 雪印種苗、2001年。

外部リンク

雪印種苗株式会社
雪印種苗 会社概要
* 雪印種苗園芸センター

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