雪室俊一

雪室俊一（ゆきむろ しゅんいち）

雪室俊一は1941年1月11日、神奈川県横浜市に生まれた日本の脚本家です。彼はシナリオ研究所を卒業し、日本放送作家協会のメンバーとして活動しています。別名として西浦あかねや洋駿太郎も使っています。

人物と活動

彼の脚本家としてのキャリアは1965年から始まり、テレビアニメ『ジャングル大帝』の脚本を担当したことがきっかけとなります。以来、『サザエさん』をはじめとする数々のアニメ作品で今なお活躍しており、業界内では城山昇と並ぶベテランの脚本家として知られています。家族向けや少女向けの作品を得意としており、代表作には『魔法使いサリー』、『とんがり帽子のメモル』、『Dr.スランプ アラレちゃん』や『キテレツ大百科』、『あずきちゃん』など多岐にわたります。

脚本の他にも、アニメ化された作品の原作を手掛けるなど、絵本や児童向け小説の分野でも多くの業績を残してきました。1981年には『おはよう!スパンク』の原作で第5回講談社漫画賞・少女部門を受賞し、洋駿太郎名義で連載した小説『まぶしい季節』では毎日児童小説コンクールで優秀作を受賞しています。また、2009年には『サザエさん』の脚本での長年の貢献が評価され、第14回アニメーション神戸賞の特別賞を受賞しました。

略歴

雪室は中学を卒業後、昼間は新聞配達や工員、書店の店員、電報の配達などをしながら定時制高校で学び、懸賞小説への応募を続けつつシナリオ研究所で脚本の基礎を学びました。新人シナリオコンクールへの応募作『近頃の若いやつ』が佳作に入選したことで、脚本家の松浦健郎に内弟子として招かれ、彼の指導を受けます。その後、日活映画の企画部にプロットを持ち込み、1965年に『あいつとの冒険』で正式に脚本家デビューを果たしました。

さらに手塚治虫の虫プロダクションで脚本助手として働く傍ら、テレビアニメ『ジャングル大帝』に参加しました。

エピソード

弟子は持たないものの、脚本家の井上敏樹が彼の系譜にあたることをラジオで語るなど、関係者からの評価が高いです。また、『ひみつのアッコちゃん』では、変身呪文の「テクマクマヤコン」が子どもたちに親しまれ、そのまま採用されるというエピソードがあります。彼が命名したキャラクターも多く、飼い猫「シッポナ」や『サザエさん』の「イクラ」などがその一例です。

『サザエさん』には放送開始当初から関わり、初期には独自の遊び心を盛り込んだ脚本を提供していました。しかし、1985年には脚本からしばらく離れた時期もありました。『キテレツ大百科』の放送終了後は消化不良感を抱いていたり、時にはスポンサーからの要望で苦労したこともあったりと、ユニークなエピソードが多いです。

作品リスト

雪室俊一の作品は多岐に渡ります。映画では『銀座の次郎長』シリーズや、『あいつとの冒険』などがあり、アニメでは『ジャングル大帝』をはじめ、『サザエさん』や『Dr.スランプ』などが含まれます。彼の作品の数々は、今でも多くの人々に親しまれており、アニメ界における大きな足跡を残しています。彼の貢献はアニメーションのみならず、子ども向け文学や絵本にも広がっており、後進の育成にも注力しています。

もう一度検索