雲州 (山西省)

雲州（うんしゅう）は、中国にかつて存在した州であり、唐代から遼代にかけて、現在の山西省大同市一帯に設置されていました。

概要

雲州の前身は、623年（唐の武徳6年）に隋の馬邑郡雲内県恒安鎮の地に置かれた北恒州です。しかし、北恒州は短期間で廃止され、624年（武徳7年）にその歴史を終えます。その後、640年（貞観14年）に朔州の北に位置する定襄城から雲州と定襄県がこの地に移され、同時に雲内県は廃止されました。

しかし、安定した時代は長くは続きませんでした。682年（永淳元年）には、雲州と定襄県は突厥の侵攻を受け、攻め落とされてしまいます。これにより、雲州は再び廃止され、その地の民衆は朔州へと移住を余儀なくされました。その後、730年（開元18年）に定襄県が再び設置され、732年（開元20年）には雲州も再設置されました。この際、定襄県は雲中県と改称されています。

742年（天宝元年）には、雲州は雲中郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には再び雲州の称に戻されました。この頃の雲州は河東道に属し、雲中県を管轄していました。

唐朝が衰退し、五代十国時代を経て、936年（後晋の天福元年）には、雲州は燕雲十六州のひとつとして契丹に割譲されるという歴史的な転換点を迎えます。この割譲は、後の中国の歴史に大きな影響を与えることになります。

そして、1044年（遼の重熙13年）には、遼により雲州は西京大同府へと昇格しました。これにより、雲州は単なる州から、より重要な政治的・軍事的拠点としての役割を担うことになったのです。

このように、雲州は短い期間に何度もその名称や管轄が変更され、その歴史は激動に満ちています。その変遷は、当時の中国の政治情勢や民族間の関係を色濃く反映しており、歴史を研究する上で重要な場所と言えるでしょう。

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