雲影 (航空機)

雲影 (Yún yǐng)

中国語では「云影」とも表記される雲影は、その名の通り高いステルス性能と高高度での飛行能力を備えた無人機です。無人偵察機としての機能に加えて、攻撃機としても使用されることが可能な二つのバリエーションがあります。この無人機は、2016年に開催された中国国際航空宇宙博覧会で初めてその姿を現しました。

機能と装備

雲影は主に情報、監視、偵察（ISR）のために設計されており、攻撃任務にも適した機体です。攻撃用モデルには、翼下に6つのハードポイントがあり、様々なミサイルや誘導爆弾を装備することができます。装備可能な兵器には、FT-7滑空誘導爆弾や、LS6滑空レーザー誘導爆弾、さらにBBM3 GPS誘導爆弾やブルーチップミサイル（AG300/M）などが含まれています。

翼竜10との関連

2020年には、新型ステルス無人攻撃偵察機「翼竜10」が発表されました。この機体は従来の翼竜シリーズとは異なり、ターボファンエンジンを搭載しており、雲影の設計に基づいたものとされています。翼竜10は2020年の南昌飛行大会で初公開され、同年8月には中国気象局による台風の観測任務にも利用されました。また、中国人民解放軍では無偵-10（WZ-10）という名称で採用され、2022年の航空ショーでも初めて一般に公開されました。

2024年には、日本の防空識別圏で初めて確認され、国防省の統合幕僚監部はこの機体をWL-10偵察・攻撃型無人機として認識しました。

技術仕様

雲影の技術仕様は以下の通りです：

• - エンジン: WP-11Cターボジェットエンジン1基、またはAEF50Eエンジン2基
• - 全長: 9メートル
• - 翼幅: 20メートル
• - 全高: 3.66メートル
• - 空虚重量: 2,300 kg
• - 最大離陸重量: 3,200 kg
• - 巡航速度: 620 km/h
• - 滞空時間: 推測で6時間（WP-11C搭載時）、8時間（AEF50E二基搭載時）
• - 実用上昇限度: 15,000メートル

総括

雲影は、そのステルス性と高度な飛行能力により、現代の無人機技術の最前線に位置しています。この機体は、中国の防衛戦略において重要な役割を果たすとともに、今後も新たな発展が期待されます。

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