雲谷峠

雲谷峠（モヤヒルズ）

雲谷峠は、青森県青森市に位置する標高553メートルの山です。地元では「モヤノトンケ」と呼ばれていた名残から、現在も「雲谷」として親しまれています。峠という名前がついていますが、実際には峠ではなく、青森市街から八甲田・十和田湖方面へ向かう途中に位置する、形の良い独立峰です。青森市民にとっては、八甲田山を望む際に右側手前に見えるシンボリックな存在となっています。

モヤヒルズ

雲谷峠の北斜面は、青森市営のスキー場「モヤヒルズ」として利用されています。指定管理者による運営が行われており、標高差約270mのゲレンデには3本のリフトが設置されています。下部の標高差約140mのエリアでは、平日でもナイター営業を実施しています。最上部は上級者向けの斜面となっており、ダイナミックな滑走を楽しむことができますが、迂回コースも用意されています。ゲレンデの営業期間は、降雪量によって変動しますが、おおむね12月下旬から3月末までです。

夏季には、バーベキューや音楽ライブなどのイベントが開催され、秋にはコスモス畑が広がるなど、高原レジャー施設として一年を通して楽しむことができます。また、舗装されたコースを車輪付きのカートで下る遊具（有料）も人気です。

モヤヒルズスキー場

モヤヒルズスキー場のゲレンデは、最大滑走距離1,800mを誇り、スキーヤーのレベルに合わせて自由にコースを選択できます。各リフトごとにコースが設置されており、子供から大人まで誰もが楽しめる設計となっています。ナイターゲレンデからは、青森市街の美しい夜景を一望でき、ロマンチックなナイタースキーを満喫できます。

ゲレンデ情報

コスモスゲレンデ (ナイター営業あり): 4人乗り高速コスモスクワッドリフトからのコース。ほどよい傾斜のスロープが広がる初級者向け。
ワラビゲレンデ (ナイター営業あり): コスモスクワッドリフト、オダマキリフトからのコース。山頂付近はやや急斜面だが、中腹まで降りると緩やかな斜面が広がる中・上級者向け。
オダマキゲレンデ: オダマキペアリフトからの中・上級者向けコース。幅の広いゲレンデで、スラロームの大会や各種検定にも利用される。
カタクリゲレンデ: カタクリペアリフトからのコース。非圧雪ゾーン。
トンケイコース: カタクリペアリフトまたはアケビペアリフトから山頂を迂回する1.8kmのロングコース。コース幅がやや狭めの初・中級者向け。
カランツゲレンデ: スズランキッズリフトからの初心者向けの緩やかなコース。ファミリーゲレンデとしてソリゲレンデも完備。

リフト情報

コスモスクワッドリフト: 高速4人乗りリフト (約594m、通年運行)
オダマキペアリフト: 可変速2人乗りリフト (約551m)
カタクリペアリフト: 可変速2人乗りリフト (約728m、土日のみ営業)
アケビペアリフト: 可変速2人乗りリフト (約569m)
スズランキッズリフト: ロープトー (約100m)
スミレキッズリフト: ロープトー (約130m、現在は運転休止)

ヒルズサンダー

モヤヒルズでは、ローラーリュージュ「ヒルズサンダー」も楽しめます。全長1,546mのコースを、専用のカートで駆け抜ける爽快感を味わえます。

コース総延長: 1,546m
コース高低差: 117m
グランプリコース(初級): 965m
フラワーコース(中級): 1,030m

ねぶた起源説

雲谷峠の裾野から発する雲谷沢と横内川の流域には、かつて蝦夷の集落があり、阿弥須（オヤス）と屯慶（トンケイ）という姉弟が率いていました。坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際に、蝦夷を驚かすために太鼓や鐘を鳴らしたことが、青森ねぶたの起源であるという説があります。この説は昭和の頃まで青森市民に広く信じられていましたが、近年の研究で田村麻呂自身は青森県まで到達していないことが判明し、公式には否定されています。しかし、周辺地域には蝦夷征伐の痕跡が残っており、歴史のロマンを感じさせます。

アクセス

青森自動車道青森中央ICから国道103号経由で約15～20分。
JR青森駅からJRバス東北十和田湖行きバスで「モヤヒルズ入口」バス停下車後、徒歩。

周辺情報

国道103号
ヴィラシティ雲谷
合子沢記念公園
岩木山展望所
青森公立大学

外部リンク

モヤヒルズ公式サイト

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