雷鳴と稲妻

ヨハン・シュトラウス2世 ポルカ・シュネル『雷鳴と稲妻』Op.324

ヨハン・シュトラウス2世によって作曲されたポルカ・シュネル『雷鳴と稲妻』（ドイツ語: Unter Donner und Blitz）Op.324は、1868年に芸術家協会『ヘルペルス』のために作曲されました。
当初は「流星」というタイトルで構想されましたが、後に変更され、同年のウィーンの舞踏会で現在のタイトルで初演されました。

楽曲の特徴

この作品は、打楽器群が非常に効果的に使用されているのが特徴です。
楽曲は3部形式で構成されており、主部は遠雷を思わせる大太鼓のトレモロで始まります。中間部のトリオでは、稲妻と雷鳴が激しく交錯する様子が描かれ、再び主部に戻り、瞬く間に終結します。
大太鼓は雷鳴を、シンバルは稲妻（または電光）を表現しており、聴覚的に雷鳴と稲妻のイメージを喚起させます。

全体として、スリリングな興奮をもたらしますが、不気味さや恐ろしさはなく、むしろ明快でユーモラスな印象を与えます。

『こうもり』との関連

シュトラウス2世の代表的なオペレッタ『こうもり』のバレエ音楽として演奏・舞踊されることもあります。
特に、オットー・シェンク演出によるものは長年親しまれており、現在も複数の上演DVDが販売されています（映画形式のものも含む）。
1999年のザルツブルク音楽祭では、ハンス・ノイエンフェルス演出による過激な読み替え版が賛否両論を呼びましたが、この版でもバレエ音楽として採用されました。ただし、シェンク版とは全く異なり、暴力的な振り付けが用いられています。

その他

演奏時間は約2分から3分。
運動会のBGMとしても親しまれています。
ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートでも演奏されることがあります。

参考情報

ポルカ・シュネル『雷鳴と稲妻』の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
* Johann Strauss (Sohn) Unter Donner und Blitz / Polka schnell op. 324 (1868) - ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団（WJSO）による解説文

この解説が、『雷鳴と稲妻』への理解を深める一助となれば幸いです。

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