電極電位

電極電位とは

電極電位（でんきょくでんい）とは、特定の電極と基準電極との間で形成されるガルバニ電池の起電力を指します。通常、基準電極としては標準水素電極が採用され、その電位は0 Vとして定義されています。この概念は電気化学において非常に重要であり、電極と電解質との間に生じる界面の電位差によって引き起こされます。

電極電位の発生

この電極電位は、界面を通過する荷電種の移動、特異的なイオンの吸着、さらには極性分子の特異的吸着や分子の配向によって生じるものです。化学電池において、アノードとカソードはそれぞれ特定の電極電位を持ち、その差が電池全体の電位差として表れます。具体的には、以下の式で表現されます。

$$ΔV_{cell} = E_{cathode} − E_{anode}$$

この式において、$E_{cathode}$はカソードの電極電位、$E_{anode}$はアノードの電極電位を示します。

電極電位の種類

電極が平衡にある場合は「可逆電極電位」または「平衡電極電位」と呼ばれます。一方、作用電極が何らかの反応を起こしているが、電流は流れていない場合には「混成電位」や「腐食電位」と称されることがあります。この平衡電極電位の測定結果は、標準状態に外挿することによって特定の電気活性種の標準電極電位に換算されることがあります。

もし作用電極が非平衡状態にあって、非零の正味電流が流れる場合、電極電位と可逆電位の差は「過電圧」と呼ばれ、これは接触している物質の特性、組成、及び界面での反応速度に依存します。

計測方法

電圧の測定は、通常3電極系を使って行います。このシステムには、操作電極、対極、基準電極が含まれます。測定を行う際には、作用電極の近くに基準電極を配置したり、高導電性の支持電解質を用いてオーミックな電圧降下を最小化することが重要です。電位は、作用電極と基準電極の間に電圧計を接続することで測定されます。

符号に関する規約

歴史的には、電極電位の符号には2つの異なる規約が存在します。一つは「ネルンスト・ルイス・ラティマー」規約、もう一つは「ギブズ・オストワルド・ストックホルム」規約です。1953年に行われたIUPACの会議では、両者の規約が許可されることが決定されましたが、大きさのみに基づく「電極電位」という呼称は後者に従うことが推奨されています。これにより、あいまいさを排除するために、後者に従って測定された電極電位は「ギブズ・ストックホルム電極電位」とも呼ばれています。

この2つの規約の主な相違点は、半反応式の左辺と右辺を反転させた際に、前者では符号が変わりますが、後者ではそのままになります。前者の考え方は、反応のギブズエネルギーと符号の整合性を維持するために存在します。

関連項目

電極電位の概念は、他の多くの電気化学的なテーマに関係しています。主な関連項目には、絶対電極電位、ガルバニ電位、ネルンストの式、過電圧、標準電極電位などがあります。これらの用語を学ぶことは、電気化学についての理解を深めるために有益です。

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