電気・ディーゼル両用車両

電気・ディーゼル両用車両について

電気・ディーゼル両用車両は、鉄道車両の一形態であり、走行区間の電化状況やその使用目的に応じて動力源を選択することができる特徴を持っています。この種の車両は、一般にバイモード車両と称され、電化区間では架線や第三軌条を利用して電気を集め、非電化区域ではディーゼルエンジンを使用し走行する機能を備えています。

特に、電気・ディーゼル両用車両におけるディーゼルモードは、一般的に電気式となっており、ディーゼルエンジンで発電機を駆動する電気式のディーゼル機関車や気動車とは異なる概念です。このような構造的な優位性が、両用車両の利用を促進しています。

海外の導入事例

アメリカ合衆国

アメリカでは、ディーゼル車の使用に制限がある地下駅が多く、非電化区間からの直通列車には特別な車両を使用しています。具体的な例として以下が挙げられます。

• - FL9: ニューヘイブン鉄道により導入され、後にメトロノース鉄道へ継承されました。主にディーゼル機関車として運行され、グランド・セントラル駅への乗り入れ時には第三軌条より電力を取得します。
• - P32AC-DM: メトロノース鉄道が導入したもので、通常はディーゼル機関車として運行されており、必要に応じて第三軌条から電力を集めます。
• - ALP-45DP: ニュージャージー・トランジットにより導入され、主に電気機関車として運行され、非電化区間へ直通する際にはエンジンを使用します。

イギリス

イギリス国鉄にも複数の両用車両があります。例えば、73形は第三軌条が使用される電化路線に対応しつつ、短距離の非電化区間でも走行できます。さらに、88形では交流および無架線での運用が可能です。

スイス

レーティッシュ鉄道が導入したGem4/4形は、スイス国内の異なる電化方式に対応しています。交流と直流の違いや周波数の差により、必要に応じて運行モードを切り替えて使用されます。例えば、ベルニナ急行では、直流から交流に切り替えつつ効率的な運行が行われています。

ドイツ

ボンバルディア製のTRAXX AC3 LMは、無架線地帯での入換作業をするための小型エンジンを搭載しています。シーメンスのコンビーノ・デュオは、特にノルトハウゼン市電や非電化のハルツ狭軌鉄道向けに開発されました。これらの車両も両用タイプとして広く利用されています。

日本

日本では、東日本旅客鉄道（JR東日本）が導入したE001形が注目され、クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」として運行されています。これにより、観光客向けの便利な交通手段が提供されています。

フランス

フランス国鉄でも、バイモード電車が導入され、客車列車の置き換えに利用されています。ボンバルディア製のB81500形やB82500形は、非電化区間と電化区間の両方をスムーズに走行する能力を持っています。

まとめ

電気・ディーゼル両用車両は、効率的な鉄道運行を可能にし、国際的にも多く導入されています。今後もその活用が期待される分野です。

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