電気通信主任技術者

電気通信主任技術者：電気通信ネットワークを支える監督責任者

電気通信主任技術者とは、電気通信事業者が事業用電気通信設備の工事、維持、運用を監督するために選任する責任者です。総務省令で定められた技術基準に則り、安全かつ円滑な通信サービスの提供を担保するために、重要な役割を担っています。本記事では、電気通信主任技術者について、その概要、資格の種類、取得方法、試験内容、関連情報などについて詳しく解説します。

1. 電気通信主任技術者の概要

電気通信主任技術者は、電気通信ネットワークの円滑な運用と安全性を確保するための要です。事業用電気通信設備が総務省令で定める技術基準を満たし、自主的に維持管理されるよう、工事、維持、運用に関する監督を行います。設置区域が同一市区町村で利用者が3万人未満の場合を除き、電気通信事業者は、資格者証を交付された者の中から主任技術者を選任する必要があります。2010年度からは、都道府県単位での選任も義務付けられました。ただし、兼任や外部委託も認められています。

2. 電気通信主任技術者の種類

電気通信主任技術者には、大きく分けて以下の2種類があります。

伝送交換主任技術者: 電気通信事業に用いる伝送交換設備とその附属設備の工事、維持、運用を監督します。かつては第一種と第二種に区分されていましたが、現在は統合されています。特例試験で合格した者は「伝送交換主任技術者（特例試験）」と呼ばれます。アナログ電話用設備、特定の総合デジタル通信設備、インターネットプロトコル電話用設備、携帯電話用設備は、この監督対象から除外されます。
線路主任技術者: 電気通信事業に用いる線路設備とその附属設備の工事、維持、運用を監督します。

3. 電気通信主任技術者の資格取得方法

電気通信主任技術者資格者証は、総務大臣が交付します。年齢や性別などの制限はありません。取得方法は以下の3種類です。

1. 国家試験合格: 日本データ通信協会電気通信国家試験センターが年2回実施する国家試験に合格すること。
2. 養成課程修了: 総務大臣が認定した学校等の養成課程を修了すること。
3. 総務大臣による認定: 国家試験合格者や養成課程修了者と同等の知識・技能があると総務大臣が認定すること。

4. 国家試験について

4.1 受験資格

受験資格に制限はありません。

4.2 試験概要

試験は年2回（7月と1月）実施され、マークシート式で行われます。科目は「法規」、「システム」、「設備」の3科目です。試験時間は、法規とシステムが各々80分、設備が150分です。2001年度からは全科目が多肢選択式になりました。

4.3 受験地

札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、新潟、金沢、長野、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、那覇

4.4 試験手数料

29,000円（全科目免除の場合は14,700円）

4.5 試験科目

伝送交換・線路共通科目: 電気通信システム、法規
伝送交換科目: 伝送交換設備及び設備管理
* 線路科目: 線路設備及び設備管理

5. 養成課程

総務大臣の認定を受けた学校や団体が養成課程を実施しています。

6. 資格者証

資格者証は、2010年4月からは写真付きのプラスチックカードになりました。

7. 電気通信主任技術者スキル標準

電気通信主任技術者は終身資格ですが、最新の知識・技術を維持することが義務付けられています。そのため、「電気通信主任技術者スキル標準」が策定され、定期的に改訂されています。

8. その他

工事担任者資格の一部科目免除、業務経歴による資格取得、その他関連資格などがあります。

9. まとめ

電気通信主任技術者は、高度な専門知識と技術を必要とする重要な役割を担っています。本記事が、電気通信主任技術者を目指す方々、またその業務内容を理解したい方々にとって、役立つ情報となれば幸いです。

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