電波法関係手数料令

電波法関係手数料令について

電波法関係手数料令は、電波法および関連法令に基づいて行われる各種行為に関する手数料を定めた政令です。この政令は、電波を利用する上で必要な免許や資格の取得、各種検査、登録など、多岐にわたる手続きに際して発生する手数料について、その種類、金額、納付方法などを詳細に規定しています。この手数料は国の歳入となるため、財務省との調整を経て定められています。

構成

この政令は、以下の条項で構成されています。

第1条 定義等
第2条 無線局の免許申請手数料
第3条 落成後の検査手数料
第4条 変更検査手数料
第4条の2 検査等事業者の登録更新申請手数料
第5条 無線局に関する情報提供手数料
第6条 特定無線局の免許申請手数料
第7条 開設計画の認定申請手数料
第8条 無線局の登録申請手数料
第9条 (欠番)
第10条 型式検定手数料
第11条 登録証明機関の登録更新申請手数料
第11条の2 修理業者の登録申請手数料
第11条の3 登録修理業者の変更登録申請手数料
第12条 講習手数料
第13条 無線従事者国家試験手数料
第14条 無線従事者の免許申請手数料
第15条 船舶局無線従事者証明申請手数料
第16条 船舶局無線従事者証明に係る訓練の手数料
第17条 (欠番)
第18条 免許状等の再交付申請手数料
第19条 無線設備等保守認定規程の認定手数料
第20条 定期検査手数料
第21条 較正手数料
第22条 手数料の納付方法等
附則

これらの条項では、無線局の開設や運用、無線従事者の資格取得、各種検査など、電波利用に関連する様々な行為に対する手数料が定められています。

概要

この政令で手数料が定められている行為は、国の歳入に関わるものであり、財務省との調整が必要となります。一方で、無線従事者養成課程の講習手数料や登録検査等事業者の点検・検査手数料は、民間事業者が実施することを前提としているため、この政令には規定されていません。ただし、無線従事者国家試験手数料や主任無線従事者講習手数料は、指定機関が行う場合であっても、この政令で定められた金額が適用されます。

技術基準適合証明（工事設計認証を含む）については、証明機関が指定制であった時代には手数料が定められていましたが、登録制に移行して以降は削除されました。

手数料の納付

手数料は、原則として収入印紙を申請書等に貼付して納付します。ただし、情報通信技術利用法に基づくインターネット申請の場合は、Pay-easyを利用することになります。インターネット申請の場合、手数料が減額されることがあります。また、民間の指定機関や情報通信研究機構が実施する業務については、それぞれの機関が指定する方法で納付することになります。この場合、手数料は国の収入ではなく、それぞれの機関の収入となります。

沿革

この政令は、1950年に昭和25年政令第174号として制定されました。当初は手数料の種類、納付方法、別表に手数料が規定されていましたが、その後、社会情勢や技術の進歩、制度改正に合わせて、度々改正が行われています。主な改正履歴は以下の通りです。

1958年 昭和33年政令第307号による全部改正：手数料の種類や納付方法が整理されました。
1981年 昭和56年政令第323号による一部改正：技術基準適合証明手数料が追加されました。
1983年 昭和58年政令第28号による一部改正：船舶局無線従事者証明に関する手数料が追加されました。
1989年 平成元年政令326号による一部改正：講習手数料が追加され、無線従事者の種別再編に伴い国家試験手数料が改正されました。
1990年 平成2年政令217号による一部改正：海上無線通信士の国家試験手数料が追加されました。
1997年 平成9年政令第298号による一部改正：事業者の点検能力の認定手数料、特定無線局の免許申請手数料、較正手数料が追加されました。
1999年 平成11年政令第36号による一部改正：講習手数料が特定無線設備の工事設計についての認証手数料と改定されました。
2003年 平成15年政令第25号および第501号による一部改正：無線局に関する情報提供手数料、開設計画の認定申請手数料、特定無線局の免許申請手数料、登録証明機関の登録手数料、登録更新手数料が変更されました。
2004年 平成16年政令第12号による一部改正：インターネット申請に関する規定が追加されました。
2005年 平成17年政令第101号および第159号による一部改正：手数料の体系が整理され、無線局に関する情報提供手数料、開設計画の認定申請手数料、特定無線局の免許申請手数料、登録証明機関の登録更新手数料、講習手数料が変更されました。
2010年 平成22年政令第119号による一部改正：無線局の免許申請手数料に乙表が追加され、開設計画の認定手数料に関する規定が追加されました。
2011年 平成23年政令第181号による一部改正：検査等事業者の登録更新申請手数料が追加されました。
2015年 平成27年政令第59号による一部改正：修理業者の登録申請手数料、登録修理業者の変更登録申請手数料が追加されました。
2018年 平成30年政令第219号による一部改正：無線設備等保守認定規程の認定手数料が追加されました。
2019年 令和元年政令第162号による一部改正：国家試験手数料および主任無線従事者講習手数料が改定されました。


これらの改正を通じて、電波利用に関する環境変化や制度改正に対応し、手数料制度の適正化が図られてきました。

この政令は、電波利用の円滑化と公共の福祉の増進に貢献するために、重要な役割を果たしています。

脚注

電波法関係手数料令 - 総務省電波利用ホームページ
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/laws/hourei/

もう一度検索