電波高度計

電波高度計について

電波高度計（でんぱこうどけい）とは、航空機や宇宙船が地上からの高度を測定するために使用するレーダー技術に基づいた高度計の一種です。この装置は、自機から地上に向けて高周波の電波を発射し、その電波が地面に反射して戻ってくるまでの時間を計測することで、飛行高度を算出します。電波の発射と反射から得られるデータによって、非常に正確な対地高度が得られるのが特徴です。

基本原理

電波高度計は、気圧高度計とは異なり、直接的に高度を測定します。自機の直下に電波を発射し、地面からの反射波が戻るのを待ちます。この反射波が戻るまでの時間を測定することで、自機と地面との距離を計算します。そのため、絶対飛行高度をリアルタイムで知ることができ、特に夜間や悪天候時の飛行において非常に効果的です。

電波高度計には、主にパルス式とFM連続波方式の2種類がありますが、現在は特にFM連続波方式が多く使用されています。この方式は、シンプルでありながら十分な精度を発揮するため、一般的に採用されています。電波の周波数としては、主に4.2GHzから4.4GHzの範囲が利用されます。

歴史と用途

電波高度計は、1924年にアメリカで初めて発明されました。それ以来、民間航空の分野では幅広く利用されるようになりました。特に、夜間や視界不良時の離着陸において、乗客と乗務員の安全を大いに向上させる役割を果たしています。民間機に搭載されている電波高度計は、主に離着陸時に使用されるため、最大測定高度は通常2,500フィート（約760メートル）に制限されています。これにより、必要最低限の空中線電力を確保し、他の電子機器への干渉を最小限に抑えています。

一方、軍用機においては、低高度での飛行が必要な場合に、電波高度計だけでなく、地形追従レーダーも使用されることがあります。また、巡航ミサイルに搭載されることもあり、対艦ミサイルのようなシースキマー型の兵器にも利用されています。

補助機能

たとえば、ボーイング737-800（NG）モデルでは、2,500フィートを超えた瞬間に自動音声により「Radio altimeter」というアナウンスが流れ、パイロットに高度情報が通知されます。このような機能は、確実な運用を支えるために非常に重要です。

まとめ

電波高度計は、その精度と信頼性から、現代の航空機に欠かせない技術の一部となっています。視界が悪い状況下でも安全に離着陸できるようにするため、またミリタリー用途でも使用されるその技術は、今後も進化し続けることでしょう。

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