電磁石同期電動機

電磁石同期電動機

電磁石同期電動機は、回転子に電磁石を利用することで、特有の動作特性を持つ同期電動機の一種です。この機械は、大容量の電力装置として設計されており、様々な産業で使用されています。

特徴

電磁石同期電動機は、その優れた特性により大きな容量での製作が可能です。さらに、界磁電流を変更することで力率を調整できるため、電力システムにおける非常に柔軟性のある運用が実現します。ただし、この電動機には、界磁を励磁するための電源回路とその補助装置が必要となり、これによりコストが増加する点が注意が必要です。

位相特性曲線（V曲線）

電磁石同期電動機は、供給電圧と負荷が一定の場合における界磁電流と電機子電流の関係を示すV字形の曲線を持ちます。この曲線は、供給する電流の特性を把握する上で重要な情報を提供します。電機子電流が最も低いポイントでは力率が1となり、それ以外の地点では界磁電流の増減に応じて力率が変動します。このため、負荷が増加すると、力率1となる界磁電流の値が大きくなり、電機子電流もまた大きく変化します。

始動方式

電磁石同期電動機は、複数の始動方式を持っており、それぞれの方式は特定の条件に合わせて選択されます。

自己始動方式

この方法では、制動巻線を利用してカゴ形三相誘導電動機として始動し、同期速度近辺で界磁を励磁して同期運転を開始します。

始動電動機方式

この方式では、回転軸に直結された始動電動機を使用して加速し、同期速度付近で界磁と電機子を電源に接続して同期運転を行います。主電動機よりも極数が少ない三相誘導電動機や直流電動機が一般的に使用されます。

始動と速度制御を兼ねる方式

この方式では、可変電圧可変周波数の制御電源を使用して、電動機の停止状態から界磁を励磁し、同期始動を行います。電源としては、他の同期発電機やインバータが使われます。

超同期セルビウス方式（一次励磁方式）

この方式では、回転子に三相分布巻線形を使用し、可変周波数制御の三相交流電源で励磁します。この時、固定子と回転子間の周波数関係は、磁界の回転方向によって異なるため、非常に柔軟な運用が可能です。ただし、回転子の構造がより複雑になるため、取り扱いには注意が必要です。

まとめ

電磁石同期電動機は強力な電力供給装置であり、その特性や始動方式により、幅広い用途に適応できる構造を持っています。さらに、この電動機は電磁石同期発電機や永久磁石同期電動機と関連する技術とも深い関わりがあります。今後もその利便性と性能向上に期待が寄せられています。

もう一度検索