同期電動機

同期電動機について

同期電動機、別名シンクロナスモーターは、交流電源の周波数に基づき、特定の速度で回転する電動機です。この電動機は交流電流が生み出す回転磁界に引き寄せられて、回転子がその速度に合わせて動く仕組みを持っています。

概要

同期電動機の出力軸の回転周波数は、供給される交流電源の周波数とモーターの極数によって決まります。この電動機の固定子には交流電磁石が組み込まれており、与えられた電流に応じて回転する磁界を形成します。ローターは永久磁石や電磁石を使用しており、ステーターの磁界と同じ速度で回転します。また、多相交流電磁石が使われている部分は、二重給電と呼ばれています。

小型の同期電動機は、家庭用機器のタイマーやテープレコーダー、精密なサーボシステムなど、正確な速度での動作が求められる用途に広く使用されています。一方で、大型のものは電車の主電動機や電気自動車、ハイブリッドカーにも用いられています。同期電動機は、誘導電動機と並ぶ代表的な交流モーターの一つです。

特徴

この電動機の特徴として、交流電流によって作られる回転磁界と電機子電流の間に生じる速度差に基づいて回転する点があります。また、回転数のオープンループ制御が可能で、効率が高いという利点があります。ただし、自力での始動が難しいため、始動時には追加の支援が必要になることがあります。

特に永久磁石同期電動機においては、誘導電動機よりも高効率な動作が可能です。しかし、始動時の電源周波数が高すぎると、静止状態の回転子が追従できず、自ら回転を開始することができなくなります。この場合、別途始動用のモーターを取り付けたり、高度な制御機構を用いることが一般的です。

トルクと相差角

相差角、またはトルク角は、界磁が作り出す無負荷誘導起電力と電機子電圧の位相の偏差であり、同期電動機のトルクはsin(δ)に比例して増加します。理論上、相差角が90度の際に最大トルクに達します。しかし、負荷のトルクが過大になると、「脱調」と呼ばれる状態に陥り、モーターは停止します。この状態でのトルクを脱出トルクと呼び、相差角は50度から70度の間にあります。

電機子反作用と交差磁化作用

電機子反作用は、界磁が作る磁束が電機子電流によって影響を受ける現象です。力率角によってその影響の仕方が異なり、力率が1の場合は横軸反作用により界磁の磁束が偏ることが起こります。電動機では、これが回転子を加速する方向に働きます。

分類

同期電動機にはいくつかの種類があります。最も基本的なのは電磁石同期電動機で、界磁に電磁石を使用します。他には、永久磁石同期電動機やリラクタンス型同期電動機、ヒステリシス型同期電動機があります。動作させるための制御システムも必要で、これには変動周波数ドライブ（VFD）やサーボドライブが用いられます。

結論

同期電動機は、その構造や特性から多様な分野で需要が高い電動機です。正確な速度制御や高効率な動作が求められる場合に、その存在感を強めています。

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