電脳学園

電脳学園シリーズの概要

『電脳学園』（でんのうがくえん、CYBERNETIC HI-SCHOOL）は、1989年にガイナックスが初めて発表したクイズゲームで、プレイヤーはクイズに答えながら登場キャラクターの服を徐々に脱がせるという独特なゲームシステムを採用しています。初回のリリースは1989年7月15日であり、これがガイナックスのコンピュータゲームへの参入を記念する作品となりました。現在、全4作が存在し、すべてがプロジェクトEGGによってPC-9801シリーズ版としてダウンロード購入可能です。また、1999年から2000年にかけて、新たな『電脳学園ミレニアム』シリーズが登場し、ゲーム市場に新たな風を吹き込みました。

沿革

1980年代後半、ガイナックスはアニメ制作での赤字に直面し、その経営改善のためにゲーム市場に進出することを決定しました。その結果生まれたのが『電脳学園』シリーズです。当時、アダルトゲーム市場は著名なメーカーの撤退により、品質が低下していましたが、アニメ制作スタッフが手がけたグラフィックとシンプルなクイズゲームが組み合わさることで、売上の見込みが立つと判断されたのです。

初めてのリリースでは、岡田斗司夫と赤井孝美がプログラムと作曲を担当し、他は全て二人で行いました。彼らは、ゲーム情報誌『コンプティーク』に特集記事を掲載してもらい、宣伝の一翼を担いました。大きな反響を得たものの、次回作からは宮崎県において規制の対象となり、同作品が「有害図書」に指定されるトラブルに見舞われました。ガイナックスはこれを不服として訴訟を起こしますが、最高裁判所で敗訴しました。

シリーズ作品

『電脳学園』シリーズは全4作であり、初作の『電脳学園（シナリオI）』では、プレイヤーは電脳学園の生徒として講師たちとクイズ対決を繰り広げ、正解することで衣服を脱がせることが可能です。クイズの内容はアニメや特撮、SFに関するもので、プレイヤーは合格点を取ることでさらに進行することができます。シリーズは続いて『電脳学園II ハイウェイバスター!!』や『電脳学園III トップをねらえ!』などがリリースされ、それぞれが独自のキャラクターを持ち、魅力的なストーリーが展開されました。

政治的・法的問題

特に注目すべきは、『電脳学園シナリオI Ver2.0』が宮崎県において有害図書指定を受けた際の一連の法的なやり取りです。この規制に対し、ガイナックスは意義申し立てを行いましたが、結果的に敗訴に至りました。愛知県でも同様の指定を受けるなど、当時の表現の自由が問われる出来事でした。

技術的な特徴と支持

ゲームは主にNECのPC-8801シリーズ、PC-9801シリーズに対応しており、ソフトウェアとしてパッケージ版とダウンロード版の両方が流通しています。各作品には特典やおまけなどが付いており、ファンの間で支持を得ています。特にグラフィックスやテーマの新しさが評価され、アダルトゲームの枠を超えた存在へと成長しました。

結論

『電脳学園』シリーズは、ガイナックスの進化を象徴するゲームです。その独特なゲームシステムやアートスタイル、さらには当時の社会的圧力に抗った歴史は、多くのゲームファンや文化人に影響を与え続けています。現在も新たなファンを獲得しながら、ゲーム史における重要な位置を占めています。

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