霰粒腫

霰粒腫（さんりゅうしゅ）について

霰粒腫は、目のまぶたに発生する病変の一種で、特にまぶたの裏側に腫れが見られることが特徴です。この腫れは時に赤くなることがありますが、通常は痛みやかゆみは伴いません。見た目に影響が出ることがあるため、美容的な問題を引き起こすこともあります。霰粒腫は、マイボーム腺というまぶたにある腺の出口が塞がることによって生じます。この腺は正常時、油分を分泌してまぶたの健康を保っていますが、詰まることで分泌物がたまり、腫れを引き起こすのです。

霰粒腫の原因と種類

霰粒腫は一般的に細菌感染を伴うことはなく、通常は非感染性の病変です。ただし、炎症を伴う場合や細菌感染が起こった場合は、これを急性霰粒腫と呼びます。急性霰粒腫では、炎症が進行し、痛みや赤みが強くなることがあるため、適切な治療が必要です。

治療方法

霰粒腫の主な治療には、通常、抗生剤の点眼や軟膏が利用されますが、これらは直接的な効果をもたらすものではありません。なぜなら、霰粒腫自体は細菌感染によって引き起こされるものではなく、単なる詰まりが原因だからです。治療は主に自然治癒を待つ形になりますが、炎症が進行し化膿性霰粒腫に発展した場合には、手術が考慮されます。手術では、まぶたにできたしこりを切開して中の脂肪を除去することで、症状の改善が期待できます。

特に注意が必要なのは、小児（特に3歳以下）の霰粒腫です。この場合、手術には全身麻酔が必要となるため、まずは抗生剤やステロイドの点眼、軟膏による保存的治療が行われることが多いです。これにより、数日から1週間で症状が改善される場合がありますが、まぶたのしこり（脂肪）が完全に消失するまでには、数ヶ月かかることがあるため、根気強く治療を続けることが重要です。

関連する病気

霰粒腫と関連する病気には、麦粒腫（ものもらい）や眼瞼縁炎（がんけんえん）が挙げられます。麦粒腫は通常、細菌感染が原因で、痛みを伴う腫れが現れます。対して、眼瞼縁炎はまぶたの縁の炎症で、赤みやかゆみが特徴です。これらの病状との区別が重要です。症状が現れた際には、早めに専門医に相談することをお勧めします。

参考リンク

• - 霰粒腫 - 日本眼科学会 (アーカイブ情報: 2013年2月27日)

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