青〜chong〜

青〜chong〜

『青〜chong〜』は、2001年に公開された日本の青春映画。監督は、後に『フラガール』で文化庁芸術選奨新人賞を受賞する李相日。本作は、李監督の日本映画学校卒業制作であり、商業映画デビュー作となりました。

概要

物語は、在日朝鮮人学校に通う高校生たちの、アイデンティティの葛藤や友情、恋愛模様をリアルに描き出します。タイトルは、日本語の「青」と朝鮮語で青を意味する「chong（チョン）」を組み合わせたもの。「チョン」という言葉は、一部で朝鮮人に対する蔑称として使われることもあり、若さや希望、そして社会における複雑な感情を象徴する、多層的な意味合いを持っています。

あらすじ

物語の舞台は在日朝鮮人学校。主人公の楊大成（ヤン・テソン）は、日本の高校に通うか、朝鮮大学に進学するか、将来に悩んでいます。そんな中、親友の趙玄基（チョウ・ヒョンギ）や、尹奈美（ユン・ナミ）といった仲間たちと過ごす日々の中で、それぞれのアイデンティティや進路、恋愛といった問題に直面し、葛藤していきます。彼らは自身のルーツと向き合いながら、未来へと踏み出そうとします。

キャスト

楊大成：眞島秀和
趙玄基：山本隆司
尹奈美：竹本志帆
李青福：有山尚宏
大成の父：湯澤勉
大成の母：金東姫

スタッフ

監督・脚本：李相日
製作：千葉茂樹
プロデューサー：伊藤史秀
撮影：早坂伸
音楽：坂本健
配給：ぴあ

評価・受賞

本作は、第22回ぴあフィルムフェスティバル（2000年）でグランプリ、企画賞（TBS賞）、エンターテイメント賞（レントラックジャパン賞）、音楽賞（TOKYO FM賞）の4冠を受賞。ロッテルダム国際映画祭など、海外の映画祭にも正式招待され、高い評価を受けました。

DVD

DVDは2006年にジェネオンから発売。特典として、李相日監督の対談やインタビューが収録されています。

外部リンク

* 映画『青〜chong〜』オフィシャルサイト

『青〜chong〜』は、在日というテーマを扱いながらも、普遍的な青春の葛藤を描いた作品として、多くの観客の心に響きました。李相日監督の才能が光る、記念すべきデビュー作です。

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