青い森のメッセージ

青い森のメッセージ

「青い森のメッセージ」（あおいもりのメッセージ）は、日本の都道府県歌の一つとして、青森県が2001年（平成13年）1月1日に「県民の歌」として公式に発表した楽曲です。原曲の歌唱は、アーティストのNonが担当しています。

概要と制作経緯

この楽曲の制定は、2000年（平成12年）当時の木村守男青森県知事の発案に基づき、新たな県イメージソングの公募が行われたことから始まりました。広く一般から募集された作品の中から、山内美空氏の応募作が採用され、これを原案として楽曲が制作されました。

制作スタッフには著名な音楽家が集結しています。歌詞の補作は伊藤アキラ氏、作曲は弘前市出身の鈴木キサブロー氏、編曲は斎藤ネコ氏がそれぞれ手掛け、全体のプロデュースは服部克久氏が担当しました。このように、郷土ゆかりのクリエイターを含む多才な布陣によって楽曲は完成しました。

リリースと普及

公式発表後、「青い森のメッセージ」は様々な形で普及が図られました。商業盤としては、2001年4月25日にテイチクエンタテインメントより発売されたNonのマキシシングル『too little palms』のカップリング曲として収録されています。これにより、一般の音楽市場でも入手が可能となりました。

さらに、青森県自身も本曲の普及促進のため、独自にCDを制作し、希望者に無料配布を行っています。この県制作CDには、Nonによる歌唱バージョンのほか、インストゥルメンタル（歌唱なしの演奏のみ）バージョンや、カラオケバージョンも収録されており、様々な場面で活用できるよう配慮されています。このCDは、県庁の窓口で直接受け取ることができるほか、郵送での入手も可能ですが、その場合は送信用と返信用の所定の切手代（合計220円）が必要となります。

歌詞に込められたメッセージ

「青い森のメッセージ」の歌詞には、この楽曲の根幹をなす重要なメッセージが込められています。それは、青森県民一人ひとりが社会を構成する「森」の一部となり、互いに協力し合いながら、豊かな社会全体を「青い森」として共に創り上げていこうという呼びかけです。そして、そうした県民一人ひとりの力の結集によって、「輝くあおもり新時代」を共に切り拓いていこうという、協調と未来への希望に満ちた前向きな願いが表現されています。

県民歌としての位置づけ

青森県には、この楽曲が制定される以前から、1971年（昭和46年）に制定された「青森県賛歌」という別の県民歌が存在しています。「青い森のメッセージ」が発表された後も、「青森県賛歌」を定めた県の告示は廃止されることなく効力を保っており、県としては二つの県民歌が存在する状況です。

しかしながら、県による公式な広報活動においては、両者の扱いに違いが見られます。県の公式サイトなどでは、「青い森のメッセージ」が積極的に紹介され、その存在や歌詞に込められたメッセージが広くアピールされています。一方、「青森県賛歌」については、県の例規集に制定告示が掲載されているのみに留まり、その存在が積極的にPRされている状況とは言えません。こうした状況は、2012年に東京堂出版から刊行された『全国 都道府県の歌・市の歌』といった書籍においても、「青い森のメッセージ」のみが青森県の歌として紹介されていることからも窺えます。

その他の展開

「青い森のメッセージ」は、楽曲としてだけでなく、広報活動の名称としても使用されました。かつてエフエム青森で放送されていた県の広報番組の名称も、本曲と同じ「青い森のメッセージ」が冠されていました。

また、より多くの県民やファンが楽曲を楽しむ機会を提供するため、2014年11月11日からは第一興商の通信カラオケシステムDAMでの配信が開始され、身近な場所で歌うことができるようになりました。このように、制定から時間を経て、様々な形で県民に浸透し、親しまれています。

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