木村守男

木村守男の生涯：青森県政を駆け抜けた政治家の軌跡

木村守男（きむら もりお）は、1938年1月24日に青森県南津軽郡藤崎町で生まれ、2023年6月25日に85歳でその生涯を閉じました。彼は、青森県知事（3期）、衆議院議員（4期）、青森県議会議員（3期）など、数々の要職を歴任した政治家です。父は衆議院議員の木村文男、長男は元衆議院議員の木村太郎、次男は衆議院議員の木村次郎という政治家一家に生まれました。

若き日と県議会議員時代

東奥義塾高等学校から青森県立浪岡高等学校を経て、1960年に日本大学法学部法律学科を卒業した木村は、1967年に青森県議会議員に初当選し、3期務めました。この間、青森県議会農林常任委員長などを務め、県政における経験を積みました。

衆議院議員としての活動

1980年、木村は新自由クラブ公認で衆議院議員選挙に青森2区から出馬し、初当選を果たしました。新自由クラブの青森県連代表も務めていましたが、同年12月に離党し、1981年には自由民主党に入党、田中派に所属しました。1983年の選挙では落選したものの、1986年の衆参同日選挙でトップ当選で返り咲きました。経世会を経て、同派分裂後は改革フォーラム21に参加。羽田派に所属しながらも、宮澤内閣不信任決議案には欠席するという独自の行動を取りました。その後、1993年に新生党、1994年には新進党へと所属を変えました。

細川内閣では農林政務次官を務め、かつてはコメの輸入自由化に反対していたにもかかわらず、政務次官として輸入自由化を受け入れる立場に転じました。

青森県知事としての業績と挫折

1995年、木村は無所属で青森県知事選挙に出馬し、現職の北村正哉を破って初当選。1999年には再選を果たし、3期にわたり県政を担いました。知事としては、岩手県、秋田県との連携を強化し、北東北三県による広域自治体・経済圏の構築を模索しました。また、1998年には六ヶ所村のむつ小川原港への高レベル放射性廃棄物の搬入に際し、輸送船の入港を一時拒否。後に橋本龍太郎首相との会談を経て搬入を認める決断をしました。

しかし、3期目の当選直後、週刊誌でセクハラ不倫疑惑が報じられ、県議会との対立が深まりました。県議会は辞職勧告決議を可決しましたが、木村はこれを拒否。さらに不信任決議案も提出されましたが、可決に必要な票数に僅かに届かず否決されました。しかし、その後の県議会議員選挙で不信任に反対した議員の多くが落選したため、再度不信任決議案が提出される情勢となり、採決前日に辞意を表明。2003年5月16日に県知事を辞職しました。

政界引退と晩年

2015年10月19日、自身の政治団体の総会で政界からの引退を表明しました。2023年6月25日、老衰のため藤崎町の病院で死去。その死没日をもって正四位に叙され、旭日重光章が追贈されました。

木村守男は、その政治家人生において、県議会議員、衆議院議員、そして青森県知事として、様々な政策に携わりました。特に県知事時代には、北東北の広域連携や放射性廃棄物問題など、重要な課題に取り組みました。しかし、晩年には不祥事による辞職という形で政治生命を終えることとなり、その波乱に満ちた政治人生は、多くの人々に語り継がれるでしょう。

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