青山胤通

青山 胤通について

青山胤通（あおやま たねみち、1859年6月15日 - 1917年12月23日）は、日本の内科学の権威として知られる医学者である。彼は東京大学にて医学を学び、多くの業績を残した。

生い立ちと学問の道

青山は江戸の麻布広尾で生まれ、美濃国恵那郡苗木で育った。幼名は捨松、助松であったが、1869年に平田信胤の養子となり、胤道と名付けられた。しかし、1871年に養父が亡くなったため、青山家に戻ることとなる。1882年に東京大学医学部を卒業した後、大学に病理学教室の助手として勤務。その後、1883年から1887年までドイツに留学し、ベルリン大学でフィルヒョウに学んだ。

帰国後、東京帝国大学医科大学の内科学第一講座の教授に就任。1891年には医学博士号を取得し、以降は医科大学の学長や伝染病研究所所長を歴任した。特に、明治天皇の侍医としても知られた。青山は1894年に香港で発生したペストの調査に参加し、その病であることを特定した。

医学の発展に寄与

青山の業績は多岐にわたるが、特に脚気が感染症であるとする見解は当時の医学界で主流であった。後に脚気の原因がビタミンB1の欠乏に起因すると判明し、彼の主張は否定された。その一方で、伝染病研究所の創設や、伝染病の研究・治療に力を入れ、北里柴三郎と激しい意見対立を繰り広げた。

友人との交流と影響

文学界の著名人とも交流があり、森鷗外との親しい関係が知られている。鷗外の友人である原田直次郎の治療を行い、樋口一葉の診察も手掛けている。特に樋口一葉に対しては、彼女が患っていた肺結核の末期診断を行ったが、樋口はその後まもなく亡くなった。青山は樋口の病状を把握しており、彼女の死に対して深い悲しみを残した。

晩年と功績の評価

青山は1908年に癌研究会を設立し、その会頭としても活動した。1917年12月23日、食道癌により亡くなる直前まで、医療に尽力し続けた。その功績が認められ、同日に一級を昇進、正三位に叙せられた。青山の葬儀は神道に則り行われ、彼の記憶は東京大学に残る銅像によって今なお称えられている。

彼の業績は後の医学の発展に多大な影響を与え、日本の医学界において青山胤通の名は今も語り継がれている。

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