青木遺跡 (米子市)

青木遺跡について

青木遺跡（あおきいせき）は、鳥取県米子市永江、通称「長者原台地」の北東部に位置する、弥生時代中期から奈良時代にかけての集落跡を中心とする重要な複合遺跡です。この遺跡は、鳥取県内の歴史的な調査や研究の中で特に注目されており、国の史跡にも指定されています。

発見の経緯

青木遺跡の発見は、1971年から1977年にかけて行われた県営住宅団地造成に伴う発掘調査によるものです。この調査の結果、遺跡の跡地から多くの貴重な遺構が見つかりました。残念ながら、遺跡の大部分は団地造成によって消失してしまったものの、隣接する福市遺跡と連携した保存運動が行われた結果、1978年にはH地区の一部約4ヘクタールが国の史跡として指定されることとなりました。

発掘調査の内容

この遺跡の発掘調査は、総面積40ヘクタールにわたって実施されました。調査の結果、竪穴建物跡や掘立柱建物跡、貯蔵穴、さらには古墳など、1,000基以上の遺構が検出されています。特に、弥生集落における構成単位が確認され、ありがたいことに、鳥取県西部ではあまり見られない前期古墳も発見されました。

これに加えて、大量の土器が出土したことから、本遺跡は地域の年代区分において重要な標本となっています。他にも、石器、鉄器、土製品、玉類や銅鏡など、数万点に及ぶ様々な品々が出土しています。具体的には、石鏃や石斧、石包丁、さらには鉄刀や鉄鎌などの鉄器、さらには土馬や土牛などの土製品も含まれています。

環境整備と公開

現在、青木遺跡は公園化されており、一般の人々にも公開されています。これにより多くの人々がこの貴重な文化的遺産に触れる機会を得ることができ、地域の歴史や文化への理解を深める助けとなっています。

青木遺跡は地域の歴史的な意義を持つだけではなく、訪れる人々にその魅力を伝えている場所でもあります。弥生時代から奈良時代にかけての先人たちの生活や技術を知ることができる貴重な遺跡として、今後も多くの研究や観光が期待されます。

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