青柳頼長

青柳頼長について

概要

青柳頼長（あおやぎ よりなが）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、受領名は伊勢守です。彼は信濃国の筑摩郡にある青柳城の城主として知られています。

生い立ちと家系

頼長は青柳清長の嫡男として生まれました。青柳氏は信濃国の麻績氏の一族に属し、父の清長の時代に武田晴信から麻績郷を賜り、この地を中心に勢力を強めました。それ以来、青柳氏は麻績の姓を名乗るようになりました。

戦国の波乱と青柳城の争奪戦

天正10年（1582年）、甲斐の武田氏が滅亡した直後に本能寺の変が起こり、これにより天正壬午の乱が勃発しました。当初、頼長は上杉景勝に仕官しましたが、やがて徳川家康の庇護を受けていた小笠原貞慶が深志城を取り戻すと、青柳城の位置は非常に重要な戦略的地点となりました。松本平と善光寺平を結ぶ北国西街道の要所として、青柳城は上杉軍と小笠原軍の争奪の舞台となります。

天正11年4月から翌年にかけて、青柳城を巡る激闘が繰り広げられました。頼長はその後、小笠原貞慶と和解しますが、天正15年（1587年）には貞慶に招かれ、城内で謀殺される運命を辿りました。この事件により、青柳城は小笠原軍に接収され、青柳氏は没落することとなります。『信府統記』には、頼長が真田昌幸を通じて上杉景勝と内通していたために討たれたと記されています。

子孫とその後の歴史

頼長の子、清庵はその後真田家臣として仕官します。慶長5年（1600年）には、真田昌幸の九度山行に随行し、真田信繁（幸村）とともに大坂城に入城した数少ない武将の一人としてその名を刻みました。昌幸が死去した後、他の家臣たちは上田に戻る中、清庵は幸村とともに九度山に留まり、大坂の陣に出陣しました。その後、彼は大坂夏の陣で幸村とともに戦い、命を落としたと考えられています。

参考文献と関連項目

青柳頼長に関する詳しい情報は、宮坂武男氏の著書『日本の城郭シリーズ③ 宮坂武男と歩く戦国信濃の城郭』（戒光祥出版、2016年）を参照することをお勧めします。また、関連する項目として碩水寺があります。

青柳頼長の人生は、戦国時代の激動の中で家族や忠義のために戦った一人の武将の物語です。彼の行動や決断は、当時の歴史に大きな影響を与えました。

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