青森市市バス

青森市市バスとは

青森市市バスは、青森県青森市内を運行するコミュニティバスです。これは、かつて運行されていた青森市営バスの路線が廃止されたことに伴い、その代替として運行が開始されたものです。以前は「青森市市民バス」という名称で親しまれていました。

概要

青森市営バスは、長年にわたり利用者が減少し、経営状況が厳しさを増していました。その背景には、複雑で分かりにくい路線網、郊外路線の運行頻度の低さ、交通渋滞や積雪による冬期間の運行の困難さといった要因がありました。一方で、高齢化に伴い、移動手段に制約のある人々が増加しており、路線を簡単に廃止できない状況でした。

このような状況を打開するため、青森市は平成21年10月に「青森市総合都市交通戦略」を策定しました。その中で、市民の生活交通を維持することを前提に、冬期間でも遅延が少なく、誰もが分かりやすく利用しやすいバス交通体系を目指すこととなりました。また、将来にわたって持続可能なバス交通とするために、路線再編や運営方法の見直しに着手することになりました。

この戦略に基づき、各地域の住民との協議を重ね、10年間の計画の第一段階として、2012年10月1日に孫内線、岡町線、矢田・滝沢線の3路線で、社会実験として市民バスの運行が開始されました。

沿革

2011年：孫内、岡町、滝沢・矢田の3地区で住民懇話会が開催されました。
2012年：浪岡線対象地区、荒川、高田、入内・大柳辺線対象地区、青柳の各地区で住民懇話会が開催されました。
2012年10月1日：青森市営バスの孫内線、岡町線、矢田・滝沢線の3路線が運休し、その代替として市民バスの社会実験運行が開始されました。
2013年4月1日：上記3路線の市営バスが廃止され、3地区の市民バスが本格運行となりました。
2013年10月1日：市営バスの浪岡線（空港経由）、高田線、入内線、大柳辺線、青柳経由本線が運休となり、それぞれ市民バスの社会実験運行が始まりました。
2014年10月1日：市営バスの浪岡線（大釈迦経由）が運休となり、代替として市民バスの社会実験運行が始まりました。
2015年以降：新たな市営バス路線の廃止や、新たな市民バスの社会実験は行われていません。
2020年3月23日：青森市市民バスが「青森市市バス」に改称されました。
2022年3月5日：地域連携ICカード「AOPASS」が導入され、「Suica」などの全国相互利用サービスに対応した交通系ICカードが利用可能となりました。

路線

孫内線

主なルート：（古川 - 西滝 - 石江 - 新城駅前 - 戸門 - ）鶴ヶ坂駅前 - 鶴ヶ坂山本 - 孫内
運行は青森観光バスが担当しています。
古川 - 孫内間、鶴ヶ坂駅前 - 孫内間の2系統があります。

岡町線

主なルート：
古川 - 駅西口通り - 沖館 - 新田 - 油川下町 - 油川小学校前 - 岡町 - 厚生病院前 - 新城駅前 - 西部営業所
古川 - 西上古川 - 西郵便局前 - ガーラタウン前 - 木材港前 - 油川下町 - 油川中学校前 - 油川市民センター前 - 油川中学校通り - 油川駅前 - 十三森 - 油川小学校前 - 岡町 - 厚生病院前 - 新城駅前 - 西部営業所
運行は青森観光バスが担当しています。
古川 - 西部営業所間、古川 - ガーラタウン - 西部営業所間、油川中学校通り - 西部営業所間の3系統があります。

矢田・滝沢線

主なルート：
青森駅前 - 古川 - 市役所前 - 堤橋 - 合浦町 - 南造道 - 県立中央病院通り - 東跨線橋 - 後萢通り - 馬屋尻 - 矢田 - 新総合運動公園前 - 三本木 - 上滝沢
上滝沢 → 三本木 → 新総合運動公園前 → 矢田 → 馬屋尻 → 平新田森越 → 東高校前 → 原別 → 八重田浄化センター前 → 県立中央病院前 → 県立中央病院通り → 南造道 → 合浦町 → 堤橋 → 市役所前 → 古川 → 青森駅前
県立中央病院前 - 県立中央病院通り - 東跨線橋 - 後萢通り - 馬屋尻 - 矢田 - 新総合運動公園前 - 三本木 - 上滝沢
東部営業所 - 野内駅前 - 馬屋尻 - 矢田 - 新総合運動公園前 - 三本木 - 上滝沢
運行は八洲交通が担当しています。

高田線、青い森病院線、入内線、大柳辺線

高田線：
古川 - 南旭町 - 甲田中学校通り - 大野十文字 - 農協会館前 - 青森朝日放送前 - 荒川筒井通り - 高田日野 - 高田小学校前 - 高田中学校前（南旭町・荒川バイパス・高田バイパス経由）
古川 - 南旭町 - 甲田中学校通り - 大野十文字 - 農協会館前 - 青森朝日放送前 - 八ツ役 - 荒川十文字 - 荒川筒井 - 高田日野 - 高田教育福祉センター前 - 高田中学校前（南旭町・八ツ役・高田教育福祉センター経由）
古川 - 柳町通り - 中央大橋 - 大野十文字 - 荒川筒井通り - 高田日野 - 高田小学校前 - 高田中学校前（中央大橋・荒川バイパス・高田バイパス経由）
高田中学校前 → 高田小学校前 → 高田日野 → 荒川筒井通り → 青森朝日放送前 → 農協会館前 → シーナシーナ青森前
高田中学校前 → 高田小学校前 → 高田日野 → 荒川筒井 → 荒川十文字 → 農協会館前 → シーナシーナ青森前
青い森病院線：
古川 - 柳町通り - 中央大橋 - 大野十文字 - 荒川筒井通り - 高田日野 - 高田小学校前 - 高田中学校通り - 追分 - 青い森病院前（中央大橋・荒川バイパス・高田バイパス経由）
大柳辺線：
古川 - 南旭町 - 甲田中学校通り - 大野十文字 - 農協会館前 - 青森朝日放送前 - 荒川筒井通り - 高田日野 - 高田小学校前 - 高田中学校前 - 大柳辺入口（南旭町・荒川バイパス・高田バイパス経由）
古川 - 柳町通り - 中央大橋 - 大野十文字 - 荒川筒井通り - 高田日野 - 高田小学校前 - 高田中学校前 - 大柳辺入口（中央大橋・荒川バイパス・高田バイパス経由）
入内線：
古川 - 南旭町 - 甲田中学校通り - 大野十文字 - 農協会館前 - 荒川十文字 - 荒川筒井 - 高田日野 - 高田教育福祉センター前 - 高田中学校通り - 追分 - 入内（南旭町・荒川十文字・高田教育福祉センター経由）
古川 - 柳町通り - 中央大橋 - 大野十文字 - 農協会館前 - 荒川十文字 - 荒川筒井 - 高田日野 - 高田教育福祉センター前 - 高田中学校通り - 追分 - 入内（中央大橋・荒川十文字・高田教育福祉センター経由）
運行は青森観光バスが担当しています。

浪岡線

空港経由：
青森駅前 -（アウガ前←） 古川 - 南旭町 - 甲田中学校通り - 大野十文字 - 農協会館前 - 青森朝日放送前 - 荒川筒井通り - 高田日野 - 高田小学校前 - 高田中学校通り - 追分 - 青い森病院前 - 青森空港 - 王余魚沢入口 - 羽黒平 - 浪岡事務所通り - 浪岡駅前
市民バス移行後、農協会館前から青森駅までの運行ルートが変更され、新たに「青い森病院前」バス停に停車します。
大釈迦経由：
青森駅前 - （アウガ前←） 古川 - 西滝 - 新[[青森駅]]南口 - 三内霊園入口 - 新城駅前 - 戸門 - 鶴ヶ坂駅前 - 大釈迦北口 - 高屋敷 - 浪岡 - 浪岡駅前 - 国立青森病院 - 道の駅なみおか
市営バス時代、｢新[[青森駅]]南口｣バス停と｢道の駅なみおか｣バス停は、一部の便のみの停車でした。
「アウガ前」バス停は、青森駅行のみ停車します。
2021年4月現在、大釈迦経由の一部の便が「国立青森病院」に停車するようになっています。
運行は弘南バスが担当しています。市営バス時代は弘南バス青森営業所内の乗合部青森分室が運行を担当していましたが、市民バス移行後は、空港経由便は黒石営業所が、大釈迦経由便は青森営業所がそれぞれ運行を担当しています。

青柳線

主なルート：青森駅前 - 新町二丁目 - ワシントンホテル前 - 青柳橋 - 合浦町 - 沢田橋 - 県立中央病院前
運行は八洲交通が担当しています。

その他

市民バス移行後は青森市営バスカードは利用できなくなりました。その代替として、バスカードと同金額の紙式回数券が市民バス車内で販売されています。その他の乗車券類は引き続き利用可能です。
弘南バスで発売している「津軽漫遊フリーパス券」では、青森市市バスの弘南バス自社路線と重複する区間（空港経由・大釈迦経由）は利用できません。
2022年3月5日から、JR東日本のSuicaシステムを利用した地域連携ICカード「AOPASS」が青森市市バスで使用可能となりました。市バス運行ルートと一部重複する他事業者の路線は事業者によって対応が異なります。
JRバス東北青森空港線と横内線では2021年3月27日から「Suica」を含む交通系ICカードの利用が可能となり、「AOPASS」導入後は相互利用が可能となりました。2022年3月12日からは当該路線でも「AOPASS」が導入され、「AOPASS」交通ポイントの付与対象となります。
十和田観光電鉄バス十和田 - 青森線でも「AOPASS」導入と同じ2022年3月5日から「Suica」「AOPASS」を含む交通系ICカードが利用可能となりました。しかし、十和田観光電鉄では2022年4月29日から「AOPASS」とは異なる地域連携ICカード「Towada SkyBlue Pass」を導入し、「AOPASS」交通ポイントの対象外となります。
弘南バスは2023年2月25日から、地域連携ICカード「MegoICa」を一般路線バス全線で導入し、サービス開始後は「AOPASS」との相互利用が可能になりますが、交通ポイントは付与されません。
一部車両では、両替機が設置されていません。両替が必要な場合は、乗務員まで申告する必要があります。

脚注

関連項目

廃止代替バス
日本のコミュニティバス一覧

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