青砂ヶ浦天主堂

青砂ヶ浦天主堂について

青砂ヶ浦天主堂は、長崎県南松浦郡新上五島町に位置する、カトリックの教会です。五島列島の中通島北部に佇むこの教会は、2001年に国の重要文化財に指定されました。守護の天使として大天使聖ミカエルを祀っています。

歴史

1878年、江戸時代に外海地方から移住してきた潜伏キリシタンたちがカトリックに復帰し、初代の聖堂を建設しました。その後、1900年には青砂ヶ浦小教区が設立され、1910年10月17日に現在の赤煉瓦造りの聖堂が完成しました。1984年には大規模な改修が行われ、2001年11月14日には国の重要文化財に指定されています。

建築様式

青砂ヶ浦天主堂は、煉瓦造りの平屋建てで、屋根は瓦葺きです。平面は三廊式バシリカ型を採用しており、内部は木造の円柱が身廊と側廊を区切り、天井はリブ・ヴォールト天井で装飾されています。この美しい教会を設計・施工したのは、長崎県を中心に数多くの教会堂建築を手がけた鉄川与助です。青砂ヶ浦天主堂は、彼が手がけた3つ目の教会堂であり、煉瓦造りの教会としては2つ目にあたります。

詳細な構造

教会の平面規模は、間口11.3メートル、奥行き23.4メートルです。外壁はイギリス煉瓦積みで、西側の正面は3層に区切られ、バラ窓や縦長のアーチが設けられています。正面入口の左右には、柱頭に葉形装飾のある円柱があり、その上部は尖頭アーチとなっています。内部は、アーケードによって身廊と左右の側廊に分けられ、身廊、側廊ともに天井は四分割リブ・ヴォールトで構成されています。壁面は漆喰で塗られ、側廊の窓にはステンドグラスがはめ込まれています。

この天主堂は、内外ともに意匠が優れており、日本人の手による初期煉瓦造キリスト教建築の代表的な作品の一つとされています。

世界遺産との関係

青砂ヶ浦天主堂は、かつてユネスコの世界遺産（文化遺産）暫定リストに掲載されていた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する教会の一つでした。しかし、構成資産の見直しにより外され、現在は「世界遺産の構成資産と一体的に保存・継承していく資産」とされています。

所在地とアクセス

• - 所在地: 〒857-4402 長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241
• - アクセス:

- 青方港（中通島）から車で約15分
- 有川港（中通島）から車で約20分
- 西肥バス「青砂ヶ浦天主堂前」バス停下車すぐ
- 西肥バス「青砂浦別道」バス停下車徒歩約15分

参考文献

• - 三沢博昭『大いなる遺産 長崎の教会』（智書房、2000年） ISBN 4434002651
• - 『長崎遊学2 長崎・天草の教会と巡礼地完全ガイド』（長崎文献社、2005年） ISBN 9784888510912
• - 「新指定の文化財」『月刊文化財』460号、第一法規、2002年

関連項目

• - カトリック長崎大司教区

青砂ヶ浦天主堂は、その美しい建築と歴史を通じて、訪れる人々に深い感動を与え続けています。

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