青谷町 (神戸市)

神戸市灘区青谷町：自然と歴史が織りなす静かな住宅街

神戸市灘区の西北部に位置する青谷町は、王子公園の北側から中央区との境に広がる、西郷川を東側の境界とする三角形の地域です。北は城の下通、東は上野通、南東は赤坂通、南は王子町、南西は中央区籠池通、西は中央区中島通、北東は中央区神仙寺通と隣接しています。2020年10月1日時点の国勢調査によると、世帯数は623世帯、人口は1193人で、男性512人、女性681人となっています。

青谷町の歴史：摩耶山のふもとから発展した町

青谷町は、古くから摩耶山のふもとに位置する風光明媚な土地として知られてきました。摩耶山への参拝道にもあたり、かつては原田村と上野村が共有する草山で、「青ヶ谷」と呼ばれていました。その名の由来は、西郷川上流の青谷川に、青く澄んだ水が流れ、豊かな自然が茂っていたことにあります。

大正3年（1914年）、松本寅之介氏によって温泉場が開設され、保養地として賑わいを見せ始めます。翌年には、高与次郎氏が神戸乗馬クラブを設立しました。（同クラブの厩舎は昭和53年に全焼）。大正時代に造成された青谷遊園地には、温泉の他に貸しボートなども備えられ、桜の名所としても親しまれていました。しかし、その後は住宅地へと変貌を遂げていきました。

1938年（昭和13年）7月5日には、阪神大水害により青谷川が氾濫し、町は大きな被害を受けました。この災害を契機に、町の整備が進められ、現在の静かな住宅街としての姿が形作られていったと考えられます。

青谷町の施設：教育・スポーツ・文化の拠点

現在、青谷町には様々な施設が立地しています。神戸市立王子スポーツセンターは、地域住民の健康増進に貢献する重要な施設です。歴史を感じさせる旧ハンター住宅は、地域の貴重な文化的資産となっています。また、青谷愛児園は、地域の子どもたちの保育を担っています。

さらに、松蔭高等学校や神戸海星女子学院高等学校といった教育機関も存在し、多くの生徒が学んでいます。清光山教福寺は、地域住民の信仰の中心として長く親しまれてきました。神戸龍谷中学校（青谷学舎）も、地域の子どもたちの教育に貢献しています。これらの施設は、青谷町の豊かな生活環境を支える重要な要素となっています。

まとめ：自然と歴史、そして現代が調和する町

青谷町は、豊かな自然と歴史、そして現代社会の調和が感じられる町です。摩耶山のふもとに広がる静かな住宅街は、住む人々に安らぎを与え、近隣施設との連携によって、活気ある生活空間を形成しています。歴史を踏まえつつ、現代にふさわしい発展を遂げている青谷町は、神戸市灘区における重要な地域として、これからもその役割を果たしていくでしょう。

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